政府が、ビットコインなど仮想通貨の基盤となる「ブロックチェーン」と呼ばれる先端技術を行政活動の一部で今年度内に試験導入することが28日、分かった。業務の効率化やコスト低減、情報の安全管理で効果があるかどうかを見極めたうえで、本格導入や対象分野の拡大を検討する。民間企業によるブロックチェーン活用の取り組みに対しては、成長戦略に創設が盛り込まれた新たな規制緩和制度「サンドボックス(砂場)」で後押しする方向だ。
ブロックチェーンは、複数のコンピューターで情報を分散管理し、それぞれのコンピューターがデータの正しさをネットワーク上で相互確認する。仮想通貨では、所有者の移転や決済状況、残高を記録することで、モノとしては存在しない通貨取引を可能にする。電子的な情報を記録する仕組みは行政の効率化にも有用とみられている。
具体的には、政府が物品やサービスを調達する際の手続きをインターネット上で進める「電子調達システム」で実証する。複数のコンピューターでネットワークを構成して入札や契約、納入、請求などの情報を共有する。詳細は今後詰めるが、仮想データを用いるなど、システムに影響を与えないように慎重に行う。