万里の長城の地下102メートルに駅建設 最新技術を活用、深さ・規模、世界最大の地下駅に (1/2ページ)

北京市延慶区の八達嶺長城の周辺(中国新聞社)
北京市延慶区の八達嶺長城の周辺(中国新聞社)【拡大】

 北京市に位置する万里の長城(八達嶺)の地下102メートル地点に、北京と河北省張家口市を結ぶ京張高速鉄道の駅が建設中だ。この高速鉄道は全長174キロ、工期は2016年3月から19年末を予定。寒冷で強風が吹く地域に時速350キロに上る(砕石の床を作って枕木とレールを敷いた)バラスト軌道の高速鉄道を走らせるのは、中国でも初めて。完成すれば北京の中心部から八達嶺長城駅まで20分で到着するという。

 長城駅は全長470メートル、延べ床面積3万6000平方メートルあり、サッカー場の6倍に相当、深さと規模で世界最大の地下駅だ。

 建設を担う中鉄五局集団華北指揮部の陳彬指揮長は本紙(科技日報)の取材に「京張高速鉄道は設計から建設まで最新の理念と技術を採用している。長城駅は現在、全体の40%まで完成した」と述べた。

 長城駅が地下102メートルに建設されたのは、延慶や八達嶺の観光利用と100年の歴史を持つ京張鉄道・青竜橋駅の保護を考慮したためだという。

 中鉄五局京張高鉄プロジェクト部の蒋思マネジャーは「地下駅は3層構造で、プラットホーム、入り口改札、出口改札の3フロアとした。こうした形は全国で初めてだ」と説明する。

 内部には長いエスカレーターと斜行エレベーターといった先進設備を設置し、速くて快適な移動を保証。乗車時と降車時の経路を分けたことで人の流れが均等に分散された。また環状避難通路を初めて採用し、死角のない救助経路を確保している。

スマート情報技術を活用、初の手法導入