韓国の文在寅政権、対北現実路線へシフトか 金正恩氏ら首脳部暗殺の斬首作戦部隊予定通り実戦配備 (1/2ページ)

 【ソウル=名村隆寛】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の発射台の追加配備に加え、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長ら首脳部を暗殺する「斬首作戦部隊」を実戦配備する構えだ。

 「特殊任務旅団」と称される斬首作戦部隊は当初、2019年創設の予定だったが、前政権下の今年1月、国防省が黄教安(ファン・ギョアン)首相(当時)への報告で、2年前倒しの年内創設の方針を提示していた。

 宋永武(ソン・ヨンム)国防相は4日の国会国防委員会で「今年12月1日付で部隊を創設し戦力化が可能」と述べた。

 部隊は平壌に潜入、核兵器発射を命じる指導部を排除し、指揮施設をマヒさせる任務を負う。国防省は「斬首作戦」に投入する戦略ミサイルの発射映像や、平壌を攻撃する仮想の映像を7月に公開している。

 核実験を強行した北朝鮮に対し、韓国の安保政策は文政権でも基本的には変わらないことを示している。

 ただ、北朝鮮の核をめぐり危機的状況のなか、斬首作戦部隊の創設まで3カ月もあり、文政権としては急がない構えだ。北朝鮮は昨年春の米韓合同軍事演習のころから、斬首作戦に強い反発を続けており、過度な対北刺激を避けたいとの思いがうかがえる。

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