ユジノサハリンスク近郊のチェーホフ山など手つかずの自然も魅力だ。ガイドのロシア人男性は「日本ほど人も多くない。自由に楽しめる良さがある」と語る。
リゾートも開発の余地が大きい。ユジノサハリンスクにあるスキー場「山の空気」は、北海道留寿都村のルスツリゾートと業務提携。ナタリヤ・イワノワ州観光局長は「コースや飲食店を整備し、極東一のリゾートを目指す」とアピールした。
日本とサハリン間には空路のほか、南部コルサコフと稚内市を約4時間半で結ぶ夏季限定の客船航路がある。ただ、コルサコフ港の近くには駅やバス停がない。客船を運航する北海道サハリン航路(稚内市)の日向寺和裕専務は「受け入れ体制が課題だ。車や通訳代がかさみ、個人旅行向けではない」と指摘する。
外国人の査証(ビザ)取得手続きの簡素化も計画されているが、具体化は先になりそうだ。ユジノサハリンスクの旅行会社のタチヤナ・ボロベワ社長は「ビザ手続きの煩雑さは、日本人客が旅行を断念する一因。早期の実現を」と期待している。(ユジノサハリンスク 共同)