【高論卓説】ヤマ場迎える「働き方改革」 時間管理とは違う基準の制度も急務 (1/3ページ)

 安倍晋三首相が掲げてきた「働き方改革」がヤマ場を迎える。厚生労働省の労働政策審議会は今月15日、残業時間の上限規制などを盛り込んだ働き方改革関連法案の要綱に関し「おおむね妥当」として加藤勝信厚労相に答申した。政府は法案を閣議決定し国会に提出、2019年4月からの施行を目指す。

 残業時間の上限を法律で定めることは働く側の長年の悲願だった。今でも労働基準法では月45時間、年間360時間と決められてはいるが、労使で合意し、いわゆる「三六協定」を結べば特例が認められる。そこに上限をかぶせ、違反した経営者に罰則を科すというのが今回の法案だ。

 上限を年720時間とし、原則の45時間を超えることができる月を6回までに制限。2カ月ないし6カ月の平均残業時間を80時間以内とする。その上で繁忙期だけ例外的に認める単月の上限を「100時間未満」とする。「100時間」は過労死すれば労災認定される水準で、「死ぬギリギリまで働けということか」といった批判も上がるが、法律で絶対守るべき上限を定めることには意味があるだろう。

 だが、そうなると「時間」で仕事を管理するのがふさわしくない職種にまで上限を厳しく定めることになる。そうした人たちを時間規制から除外しようというのが「高度プロフェッショナル(高プロ)制度」の導入だ。国会提出後2年以上にわたり審議すらされてこなかったが、今回の労働基準法改正では、これを「セット」で審議することになった。

「残業代ゼロ法案」など批判も対象は社員全体の1%未満