G20会合では、進出国に支店や子会社がないネット通販業者の電子商取引への課税対応も協議。進出国に拠点がなくても法人税などを課税できるようなルール作りを急ぐ。ただ、同様の課題には欧州連合(EU)が独自の対策を導入する方針を提示。G20で進めてきた国際的な課税ルールをめぐる協調路線が揺らぐ懸念も高まっている。
現在の課税ルールでは、企業は進出国に支店などの「恒久的施設(PE)」を持たなければ、原則、法人税は本社がある国で納める。例えば、米アマゾン・コムなどは日本に物流倉庫を所有するが、日米租税条約上、倉庫はPEに当てはまらない。日本で得た事業所得に対し、日本で課税されない問題が生じている。
ネットを通じて個人間でモノやサービスの取引を行う「シェアリングエコノミー(共有型経済)」も同様の問題を抱えており、日本も対策の検討を始めた。
G20は2020年までに電子商取引など電子経済が国際課税ルールに与える影響などを分析し、報告書を策定する方針だ。
一方、EUではG20に先んじてルールづくりが加速。欧州委員会では、進出国での売り上げに対し課税する方式の導入や、PEの定義拡大など具体的な対策が検討されている。
ただ、財務省幹部は「各国が勝手に課税権を行使すれば、国際課税ルールに多大な影響が出る」と懸念。EUに対し協調するよう呼びかけている。