給与所得控除、欧米並みに引き下げを 政府税調が中間報告

政府税制調査会の総会であいさつする中里実会長=20日午後、財務省
政府税制調査会の総会であいさつする中里実会長=20日午後、財務省【拡大】

 政府税制調査会(首相の諮問機関)は20日、総会を開き、所得税改革に向けた中間報告を取りまとめた。働き方に左右されない中立な税制を目指し、会社員の税負担を軽くする「給与所得控除」を高所得者を中心に縮小し、中長期的に欧米並みの水準に引き下げるよう提言した。ただ、目指してきた所得税制度の抜本改革にはほど遠い内容で、小手先の提言にとどまった。

 中里実会長は総会後の記者会見で「(所得税の)控除のあり方についてはさまざまな意見がある。引き続き検討すべき課題として位置づけ、もう少し議論を詰めていきたい」と述べ、所得税の抜本改革は時間をかけて行う考えを示した。

 報告では日本の給与所得控除が「相当手厚い」と指摘。働き方の多様化を受けフリーで働く人も恩恵を受けられる「基礎控除」に振り向ける形で、高所得者の控除縮小といった検討が必要との認識を強調した。

 年金受給者向けの「公的年金等控除」についても、高額所得者の控除に関して見直すべきだと提言した。

 ただ、控除方式の見直しなど抜本改革に関する具体案はなく、主要国の負担調整の仕組みを参考に進めるべきとの提言にとどめた。増税になる人が増えかねない見直しに慎重な与党の意見などを踏まえた。

 このほか、税務手続きの電子化に向け、マイナンバーやスマートフォンを活用できる環境整備の必要性を訴えた。今回の報告をたたき台に自民党税制調査会は22日から平成30年度税制改正の議論を本格化させる。