福井県の西川一誠知事は27日、県庁で記者会見し、関西電力大飯原発3、4号機(同県おおい町)の再稼働に同意を表明した。同日午後、世耕弘成経済産業相に同意したことを電話で伝えた。
2基の再稼働をめぐっては、おおい町と県議会が既に同意。知事が同意したことで、再稼働に向けた地元同意手続きは完了した。関電高浜3、4号機(同県高浜町)が既に再稼働しており、東京電力福島第1原発事故があった2011年以来初めて、同県内で同時に複数の原発が稼働する見通しとなった。関電は県の同意を得た上で、3号機を来年1月中旬、4号機を同3月中旬に再稼働させる計画。
知事は会見で「町や県議会の意見、国や事業者の中間貯蔵の県外立地に対する対応を総合的に勘案した」と説明した。
知事は判断に当たり、関電に使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の計画を具体化するよう求め、同社の岩根茂樹社長が23日、18年中に計画地点を示す方針を表明した。知事は会見で「原発の将来を考えると、中間貯蔵の道筋ができないと問題がある」と述べ、同意の重要な判断材料だったとの認識を示した。
政府が10月に了承した住民避難計画に基づく訓練について、知事は「態勢が整えば実行したい」と述べたが、再稼働の前に実施する必要はないとの考えを示した。
知事は今月25~26日、中川雅治原子力防災担当相、世耕経産相と相次ぎ会談。経産相から2基の再稼働に理解を求められ、「県民に信頼される判断をしていきたい」と述べていた。