日の丸資金で宇宙VB後押し 官民100億円出資、開発競争の出遅れ挽回

月面探査ロボ「SORATO(ソラト)」とチーム「HAKUTO(ハクト)」の袴田武史代表=東京都江東区の日本科学未来館
月面探査ロボ「SORATO(ソラト)」とチーム「HAKUTO(ハクト)」の袴田武史代表=東京都江東区の日本科学未来館【拡大】

 政府系の産業革新機構と日本政策投資銀行、複数の大手企業が、月面探査の国際コンテストに参加している日本の民間チーム「HAKUTO(ハクト)」を運営する宇宙ベンチャーに計約100億円を出資することが5日、分かった。企業はTBSや電通などが浮上している。将来的な成長が期待できる宇宙産業の育成を官民で後押しする。今月中にも正式決定する。

 出資先は「ispace(アイスペース)」(東京)。2020年代に10~100台の小型ロボットを月面に送り込み、水の埋蔵場所を特定。ロケット燃料として水素や酸素を作る計画を描いているという。地球から月への輸送事業なども目指している。

 関係者によると、TBSや電通以外にもコニカミノルタ、清水建設、スズキ、日本航空、凸版印刷、KDDIが候補になっているという。革新機構と政投銀が計約50億円を出資。残りを企業が負担する見込みだ。

 宇宙ビジネスは国際的な開発競争が激しさを増しており、日本は出遅れを指摘されている。政府は今年5月に「宇宙産業ビジョン2030」を策定し、現在は1兆2000億円の市場規模を30年代の早い時期に倍増する目標を掲げた。官民が連携し、関連事業に挑戦するベンチャー企業などを資金面で支援する必要性も指摘した。