日欧EPA交渉妥結を確認 懸案の紛争解決手続きは別協定に分離し協議継続

 安倍晋三首相は8日夜、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長と電話会談し、年内の最終合意を目指していた日本とEUの経済連携協定(EPA)交渉が妥結したことを確認した。意見の隔たりが大きい企業と投資先国との紛争解決手続きは合意対象から切り離すことで一致。2018年夏ごろの署名、19年早期の主要部分の発効を目指す。9割超の品目で関税が撤廃され、世界の国内総生産(GDP)の約3割を占める巨大経済圏が誕生する。

 安倍首相は電話会談後、首相公邸で記者団に「日本とEUが手を携えて、自由で公正なルールに基づく経済圏を作り上げていく。21世紀の国際社会の経済秩序のモデルとなるものだ。日EUの新しい時代がスタートする」と述べた。

 日欧EPAは7月に大枠合意したが、企業が投資先国の制度変更などで損害を受けた際、その国に賠償を請求する仕組みが積み残された。日本は国と企業がそれぞれ仲裁人を指名する「ISDS」という方式を、EUは常設の「投資裁判所」創設を求めていた。

 協議はその後行き詰まり目標に掲げた年内の最終合意が困難になる恐れがあったが、8日までベルギーのブリュッセルで開いた首席交渉官会合で紛争解決手続きは別協定に分離し協議を続けることで折り合った。

 EPAではEUが日本の乗用車に課す関税を発効8年目になくす一方、日本はEU産チーズや豚肉、ワイン、パスタなどの関税引き下げ・撤廃に応じる。