経済成長を優先 財政健全化方針で 安倍晋三首相 衆院予算委 実質審議入り

 安倍晋三首相は2日午前の衆院予算委員会で、財政健全化の方針について「思い切って歳出削減すれば、プライマリーバランス(基礎的財政収支、PB)黒字化はできる。しかし、経済が腰折れし、税収ががくんと落ちる危険性がある」と述べ、経済成長を歳出削減に優先させる考えを強調した。自民党の岸田文雄政調会長に対する答弁。

 消費税増税分の使途の組み替えで、平成32年度にPBを黒字化する財政健全化目標は困難になったが、安倍首相は「これまでの経済財政一体改革の取り組みを精査し、この夏までに達成時期と裏付けとなる具体的かつ実効性のある計画を示す」と述べた。

 また安倍首相は、企業の人手不足に対応した外国人労働者の受け入れのあり方について「経済、社会基盤の持続可能性を確保していくため、真に必要な分野に着目をしつつ、内容の具体化を検討していく。外国人材が地域の生活者、社会の一員になることも踏まえて幅広い観点から検討する必要がある」と述べた。その上で移民政策について「安倍政権ではとる考えはない」と述べた。

 衆院予算委は2日午前、安倍首相と全閣僚が出席して平成30年度予算案の実質審議に入った。午後には公明党、立憲民主党などが質問する。