
金融庁が立ち入り検査に入った、仮想通貨取引所大手コインチェックの本社が入るビルの前には報道陣が集まった=2日午前、東京都渋谷区【拡大】
金融庁は2日、不正アクセスにより顧客の約580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が外部に流出した仮想通貨取引所大手コインチェック(東京)に対し、資金決済法に基づく立ち入り検査に入った。顧客の補償に充てる資金が十分にあるかどうかなどを早急に調べる必要があると判断した。麻生太郎金融担当相は国内の全仮想通貨取引所に対し、安全管理体制について2日中に報告するように命じたと明らかにした。
巨額の仮想通貨流出から2日で1週間。金融庁はコインチェックに対して1月29日に業務改善命令を出し、原因究明や管理体制の強化などを取りまとめて2月13日までの報告を求めていたが、これまでのコインチェック側の説明に不明瞭な点も多く、期限を待たずに立ち入り検査に踏み切る異例の措置を取った。
麻生金融担当相は2日朝、閣議後の記者会見でコインチェックへの立ち入り検査に関し「利用者の(資産の)保全を確保する観点で立ち入り調査した」と説明した。金融庁は業務改善命令の実行状況も確認し、コインチェックの詳しい財務内容や仮想通貨をどうやって管理していたかなどを重点的に調べる方針だ。