NHK上田良一会長、「常時同時配信」改めて意欲

5日、東京都渋谷区で合同インタビューに答えるNHKの上田良一会長(飯田英男撮影)
5日、東京都渋谷区で合同インタビューに答えるNHKの上田良一会長(飯田英男撮影)【拡大】

 1月末に就任1年を迎えたNHKの上田良一会長は5日、産経新聞などのインタビューに応じ、頻発する不祥事に触れ、「特に受信料に絡む不祥事には神経質になっている」として、受信料徴収制度をチェックし、問題点を今月中にまとめる方針を明らかにした。

 また、放送とインターネットの「常時同時配信」について「世界標準の通信と放送の融合を2020年東京五輪に間に合わせる形でやりたい」と改めて強い意欲を示した。

 常時同時配信をめぐっては、民放からNHKの肥大化を警戒する声が出ているが、上田会長は「民放との調整に努力し、政府に対する法改正の働きかけにも全力投球するのが、私の使命」と強調。インターネットでラジオ番組を配信する「radiko(ラジコ)」で実施中の民放との実験的なキャンペーンを例に挙げ、「放送と通信が融合する中でヒントになる」として、民放との協力体制を築く意向を示した。

 来年度から3カ年の経営計画で、一律値下げが見送られた受信料については、「受信料額の適正水準は中長期的に検討すべきだ。東京五輪後を見据え、しっかりと進める」としたが、一律値下げを行うかについては明言を避けた。