グーグルに制裁金5700億円 EU、競争法違反で過去最高額

18日、ブリュッセルで記者会見するEUのベステアー欧州委員(ゲッティ=共同)
18日、ブリュッセルで記者会見するEUのベステアー欧州委員(ゲッティ=共同)【拡大】

 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)欧州委員会は18日、米IT大手グーグルが携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」による市場の独占的な立場を使って公正な競争を阻害しているとして、EUの競争法(日本の独占禁止法に相当)違反で、同社に約43億4千万ユーロ(約5700億円)の制裁金を科すと発表した。

 競争法違反でEUが単独企業に科す制裁金では過去最高額。90日以内にグーグルが是正しなければ、親会社アルファベットの全世界売上高の最大5%を追加で科すとした。グーグル側は法廷で争う考えを示した。

 発表によると、グーグルはスマートフォンなど携帯端末のメーカーに、自社のアプリを使う条件として正規のアンドロイド以外のOSの搭載を認めず、自社の検索エンジンなどを製造段階で組み込むことなどを要求していた。アンドロイドの欧州市場のシェアは約8割で、欧州委はグーグルがこの立場を利用して他社を閉め出しているとした。

 EUは昨年6月にもショッピングサービスをめぐる同法違反で、グーグルに対する約24億ユーロの制裁金を決定。さらなる制裁で貿易摩擦を抱える米国との緊張が高まる可能性もある。