米産業界に根強いTPP待望論 輸出競争の出遅れ懸念   (1/2ページ)

 【ワシントン=塩原永久】TPPから離脱したトランプ米政権に対し、米国内の農業団体や産業界には輸出競争での出遅れを懸念し、復帰を求める声が根強い。トランプ政権は依然として多国間協定に背を向けるが、産業界のTPP待望論が「内圧」となって政権に方針転換を迫っている。

 「米国の農業が世界のリーダーであり続けるには、TPPのような自由で公平な貿易協定が必要だ」

 米最大の農業団体「全米農業連盟」のデュバル会長は18日、貿易摩擦の拡大に懸念を示す声明でこう指摘した。連盟はTPPが農家の年44億ドルの所得増につながると試算。農家や畜産業者は、TPPに加わるオーストラリアなどとの競争で不利になると恐れる。

 ハイテク業界に近いシンクタンク「情報技術イノベーション財団」のアトキンソン会長も、11日の議会証言で、高い基準を設定したTPPが、中国の不公正取引に対抗する「長期的な選択肢になる」と述べた。

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