ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と十八銀行の経営統合計画がようやく認められたことで全国の地方銀行再編のモデルケースになる可能性がある。人口減少や日本銀行のマイナス金利政策による貸出金の利ざや縮小などで地銀の経営は急速に逼迫(ひっぱく)。日銀の大規模金融緩和が長期化する中、生き残りをかけた再編を迫られている。
5年ぶり1兆円割る
FFGと十八銀を合計すれば、長崎県内の貸出金シェアは約7割に上る。寡占化による不当な金利引き上げや貸し渋りの発生を懸念した公正取引委員会に対し、両行は時間をかけて地元企業の協力を取り付け、貸出債権を他の金融機関に移すことで理解を得た。
同一県内の経営統合は、越境統合に比べて重複店舗の見直しなどでコスト削減の効果が大きい。円滑に借り換えを進めることができれば公取委の承認を得られると今回明らかになり、他の都道府県でも再編の追い風になる可能性がある。
一方、FFGの柴戸隆成社長(福岡銀行頭取)は、「競争は大事だが地銀がなくなるのが地元にとって一番困る。切り詰めながらも店舗網や金融サービスを維持するのが使命だ」と経営統合への思いを説明する。
上場する地銀80社の最終利益は2018年3月期に5年ぶりに1兆円を割り込んだ。同年4~6月期も本業の貸し出し業務の減益幅が大きく、7割超の58社が最終減益や赤字という苦しい状況だ。