【高論卓説】自民党総裁選と地方創生 現実受け止めじっくり取り組む機会に (3/3ページ)

自民党総裁選への出馬を表明する安倍晋三首相。後方は桜島=26日午後、鹿児島県垂水市(奥清博撮影)
自民党総裁選への出馬を表明する安倍晋三首相。後方は桜島=26日午後、鹿児島県垂水市(奥清博撮影)【拡大】

 しかし、これらの施策をもってしても、やはり短期的に成果を出すことは難しい。そもそも、地方創生の成功のカギは、地域アイデンティティーを正しく理解しつつ、現状を変革しようとするリーダー(始動者)人材の育成や導入でしかあり得ないので、少なくともマクロに達成しようとする限り、時間がかかるに決まっているのだ。

 こうした「不都合な真実」も受け止めつつ、次期内閣では、再度、本格的に地方創生に向き合ってもらいたいと切に願う。

【プロフィル】朝比奈一郎

 あさひな・いちろう 青山社中筆頭代表・CEO。東大法卒。ハーバード大学行政大学院修了。1997年通商産業省(現経済産業省)。プロジェクトK(新しい霞ヶ関を創る若手の会)代表として霞が関改革を提言。経産省退職後、2010年に青山社中を設立し、若手リーダーの育成や国・地域の政策作りに従事。ビジネス・ブレークスルー大学大学院客員教授。45歳。