ネスレ、フィリピンでの生産継続 新税による撤退報道否定

 スイスのネスレは、ドゥテルテ政権の新税制による企業負担増を理由にフィリピンでのコーヒー製品生産から撤退を検討しているとの一部報道を否定した。

 現地経済紙ビジネス・ワールドによると、ネスレは「ネスカフェ・ブランドはフィリピンでの事業の柱であり続ける。コーヒー産業とコーヒー栽培者の支援も続ける。ネスレはフィリピンでの事業期間が107年におよぶ。今後100年先もこの地で生産を続ける」としている。

 現地法人のネスレ・フィリピンは、ドゥテルテ政権が施行した税制改革法(TRAIN)で加糖飲料が課税されるようになり、販売量が落ち込んだ。

 ネスレはフィリピン・ミンダナオ島北部カガヤンデオロでコーヒー製品を製造している。同社の看板商品「ネスカフェ」は、インドネシア産の競合商品「コピコ」の低価格攻勢に押され気味だ。

 さらにネスレは、原材料の一部である砂糖の買い入れ価格高騰にも悩まされている。(シンガポール支局)