「大阪万博の理念、英の産業戦略に合致」 ウテン駐大阪英総領事インタビュー

「万博を機に次世代技術の英日共同研究を拡大したい」と話す英国のセーラ・ウテン駐大阪総領事=大阪市中央区(前川純一郎撮影)
「万博を機に次世代技術の英日共同研究を拡大したい」と話す英国のセーラ・ウテン駐大阪総領事=大阪市中央区(前川純一郎撮影)【拡大】

 政府が大阪誘致を目指す2025年国際博覧会(万博)の開催地決定を23日に控え、英国のセーラ・ウテン駐大阪総領事が17日までに産経新聞のインタビューに応じ、英国が日本支持を表明した理由を明らかにした。大阪万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」と、人工知能(AI)や電気自動車(EV)の活用で新しい社会づくりを目指す英国の長期産業戦略との共通性が決め手になったとした。

 万博の開催地をめぐっては、英外務省のマーク・フィールド閣外相(アジア太平洋担当)が10月末にツイッターで「大阪を支援できることをうれしく思う。素晴らしい万博になると確信している」と述べた。

 ウテン氏は、フィールド氏のツイッターが英国の公式な支持表明と認めた上で、「私から(駐日大使館を通じて)本国政府に大阪の計画が魅力的だと助言した」と明かした。

 また、博覧会国際事務局(BIE)で昨年と今年行われた3回のプレゼンテーションに触れ、「日本が最も良かった」と称賛。日本の誘致関係者が英政府に直接PRしたことも効果的だったと語った。

 さらに、英国が昨年11月に発表した産業戦略が、AIなどの技術革新で高齢化や低炭素社会への対応を目指していることに言及。大阪の万博計画は「多様で心身ともに健康な生き方」や「持続可能な社会・経済システム」をうたっており、「英国の戦略と似ていて有意義なテーマだ。お互いが学び、一緒に良い社会をつくる機会になるといい」と期待感を示した。(牛島要平)