税制大綱「社会の構造変化に対応」 SMBC日興証券の宮前耕也日本担当シニアエコノミスト

SMBC日興証券の宮前耕也日本担当シニアエコノミスト
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 平成31年度の与党税制改正大綱は社会の構造変化に対応した改正がみられる一方、消費税増税の影響を和らげようという意向が明確に打ち出されている。消費税増税対策は税制措置だけなら問題はなかったが、ポイント付与やプレミアム付き商品券などの予算措置も行われるため、過剰な印象で財政悪化が気がかりだ。税・予算を合わせた全体の評価は70点。

 自動車関連の税は「保有」から「利用」に対する税へのシフトを検討する考えを明記した。カーシェアリングなどが増えていることも考えれば、必要な措置で評価できる。

 個人事業主の事業承継を後押しする税制の創設や、中小企業を対象に法人税を下げる特例措置の延期などは、高齢化が進み、人手不足が指摘される中では妥当な内容だ。優良な事業者に後継者が見つからずに廃業するのは経済的に大きな損失だ。