食品ロス削減「国民運動に」 超党派議連が法案骨子

 食べ物が無駄に捨てられる「食品ロス」の削減を目指す超党派の議員連盟(会長・山東昭子元参院副議長)が、食品の生産から消費に至る段階で生じる食品ロスを減らすための法案の骨子をまとめた。食品ロス削減への取り組みを、国民がそれぞれの立場で参加する「国民運動」と定義。国や地方自治体、事業者の責務だと位置付けた。28日召集の通常国会に提出し、成立させたい考えだ。関係者が21日明らかにした。

 議連によると、日本国内の食品ロスは年間600万トン以上とされる。政府が重視する国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」は、1人当たりの食品廃棄に関し、世界全体で2030年までの半減を掲げており、法制定がSDGsの達成に役立つとしている。

 法案骨子では、関係閣僚や有識者でつくる「食品ロス削減推進会議」を内閣府に新設すると明記した。政府は削減に向けた基本方針を策定し、自治体はそれを踏まえ、具体的な推進計画を作成。貧困などで食べ物に困っている人らに食品を提供する「フードバンク活動」を支援するとした。消費者や事業者への普及啓発活動の必要性に言及し、社会の理解と関心を深めるため、毎年10月を「食品ロス削減月間」とすると定めた。

 山東会長は取材に「法律を成立させ、一歩でも二歩でも食品ロス削減へ歩みを進めねばならない」と意義を強調。飲食店で食べ残した料理を、客が気軽に持ち帰れる取り組みを事業者に促す意向を示した。