4回目の緊急事態宣言が発令される見通しとなった東京都では、新型コロナウイルスの感染再拡大(リバウンド)の傾向が鮮明となっている。7日の都内の新規感染者数は920人と約2カ月ぶりに900人を超えた。厚生労働省に助言する専門家組織は同日、首都圏の新規感染者が全国の約3分の2を占めていると指摘。人の動きが活発になる夏休みなどを控える中で全国への波及を警戒し、感染防止対策の徹底を求めた。
緊急事態宣言の再発令方針を受け、東京都の小池百合子知事は7日夜、都庁で報道陣の取材に応じ、「状況はとても厳しい。感染者数の上昇が続いているので(再発令が)必要な段階だと思う」と述べた。また、東京五輪・パラリンピックに関しては「対策を進めながら安全に開かれるようにしたい」と語った。
一方、専門家組織は都内の感染状況を「50代以下を中心に入院者数、重症者数は増加に転じている」と分析。座長の脇田隆字(たかじ)・国立感染症研究所長は会合後の会見で「都内では40、50代の重症者数は第4波の感染拡大期を超えており、病床の逼迫(ひっぱく)が懸念される」と述べた。
また会合では、東京都の今後の感染状況に関する、京都大の古瀬祐気特定准教授の試算が報告され、今月11日に蔓延(まんえん)防止等重点措置が解除されない場合、新規感染者数は15日ごろに1千人程度、20日ごろに1500人程度、月末には2千人程度になるとした。東京都で緊急事態宣言が再発令されることで、どれだけ増加傾向を食い止められるかが注目される。
このほか、感染研は、感染力が強いとされるインド由来の変異株(デルタ株)への置き換わりが進み、関東地方で30%以上になったとの推計を提示。「散発的なクラスター(感染者集団)から都心部での継続的な流行に移行しつつある」とした。社会活動での感染リスク分析も示され、「飲酒を伴う3人以上での会食に2回以上参加した」場合は感染の危険性が4・94倍高まるとする暫定的な解析結果も公表された。
7日の国内の新規感染者は2191人で、東京以外は神奈川250人、大阪151人、千葉139人など。死者は東京、神奈川で各3人、埼玉、愛知、大阪で各2人など計14人だった。































