――事業リスクの調査などを手掛けているが、日本企業のリスク管理の現状をどうみるか
「政府は先月下旬に経済安全保障の推進法案を検討する有識者会議の初会合を開いたが、国際的な事業リスクは既に多岐に及ぶ。近年は外国企業を割当先とした増資も目立つが、その割当先で問題が露呈すると、出資された側も国際社会から締め出されるなどの強い制裁を受けることがある。出資を受ける際は詳細な調査が必要だが、日本企業はその点が不十分だ」
――どういった点に注意すべきか
「国内では割当先の健全性調査でも『反社会的勢力関与の有無』のみが焦点となるが、経済安保という観点から考えると、より多面的な視点が必要だ。軍事転用可能な製品や技術、セキュリティー上の機密情報、先端技術や大量の個人情報などを有する企業は、情報漏洩(ろうえい)が国益を損なうことにもつながる。関係する相手企業の背景や原資の健全性まで調査すべきだ。マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与への関与はもちろん、最近では人権や環境に関する問題なども大きなリスクとなり得る」
――リスク対策をどう高度化するか
「まずは企業の存続にかかわる可能性もあるという現実を理解したい。その上でリスクと向き合うための組織や体制を整備し、多面的な調査や情報の精査を徹底。研修などを通じた意識の定着も進めるべきだろう。海外ではこうした取り組みは一般的だ」
■ふるの・けいすけ 会社員などを経て平成15年から社内不正の調査業務に携わる。21年、JPリサーチ&コンサルティングを設立し代表取締役に就任。福岡県出身。































