節約家計簿

    高齢者こそネット味方にできれば…

    数年ぶりに銀行の窓口に行く用事があり出かけました。支店では1人の女性が窓口の受付を担当していて、来店者は彼女の指示に従って、用事に応じた受け付け番号を取って1階のスペースで待ったり、あらかじめネットで予約して来た人は2階の窓口に案内されたりしています。

    彼女の役割は、できるだけ窓口以外で用事を終わらせてもらうことのようで、「この振り込みでしたら、2階のATMでできます」「ATMで行ったほうが手数料が○○円安くなりますよ」と来店客をさばいていきます。

    支店は高齢者が多い住宅地に位置していて、窓口の受付にも高齢の方がたくさん訪れていました。その中の1人に受付の女性が「これですと、年間4千円の手数料がかかりますので、2年で8千円必要です。スマートフォンやパソコンでインターネットはできますか?」と説明していました。

    もちろん、その方は力なく首を振るだけです。取引の内容は分かりませんでしたが、インターネットを使えないことがこんなにも不利になっているのだということを実感しました。

    これまでは、インターネット取引には割引や特典があるというのが主流でした。しかし、今後インターネット取引がスタンダードになってくると、インターネットを使わない取引のほうに手数料がかかってくる社会になります。インターネットを使っていないことが家計の負担を増やすのです。

    そう考えると、年金生活で収入が決まっている高齢者こそ、インターネットを使いこなして、無駄な手数料が発生しないように心がけたほうがいいでしょう。運転免許証返納後はスマホでタクシーを呼ぶ、ネットショッピングで生活用品を注文するなどができれば、生活自体が便利で豊かになります。

    心理的なハードルは高いかもしれませんが、子供や孫、近所の若者に教えてもらう、携帯電話会社の店舗で聞くなど、来年は使えるネット取引をひとつでも増やす努力を始めてはいかがでしょう。(マネーライター 生島典子)


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