「ワクチン接種は愛国者の義務」 バイデン大統領 オミクロン急拡大で演説

    【ワシントン=渡辺浩生】バイデン米大統領は21日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」による急激な感染拡大を受けてホワイトハウスで演説した。全米で国民の移動が急増するクリスマス休暇を控えて、ワクチン接種は「愛国者としての義務」と訴えた。追加対策として検査会場増設や家庭用検査キット5億回分の配布に加え、医療施設の逼迫(ひっぱく)に備え米軍から医療スタッフ千人を追加投入する。

    21日、米ホワイトハウスで演説するバイデン大統領=ワシントン(ロイター)
    21日、米ホワイトハウスで演説するバイデン大統領=ワシントン(ロイター)

    米国では12月12~18日の新規感染例の73%がオミクロン株とされ、21日までの1週間の1日当たりの感染は14万5千人を超え前週比20%増。ワクチン2回接種の割合は61%と伸び悩む。

    バイデン氏はワクチン未接種の国民に対し、発症、重症化リスクが高く「過去、新型コロナによる死者のほとんどは未接種だった」と強調。接種済みの国民には「重症化や死亡の危険から守られている」と述べ、「クリスマスや休日を計画通り安心してお祝いできる」と太鼓判を押した。

    また、「最も強力な防護を提供する」として3回目の「ブースター」接種を推奨した。トランプ前大統領が3回目接種を受けたと公表したことに触れ「彼と私の数少ない合意点だ」と指摘。世界に先駆けたワクチン開発におけるトランプ前政権の貢献にも言及した。

    ワクチン未接種の国民に多くいるとされるトランプ氏の支持層を意識した発言とみられる。

    バイデン氏は、接種に忌避感を抱く傾向をインターネットやケーブルテレビによる偽情報があおっているとし、「顧客や支持者を殺すことになるウソを広めて金もうけをしている」と痛烈に批判した。


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