塩野義製薬は27日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、ベトナムで最終段階の臨床試験(治験)を始めたと発表した。東南アジアなどで約5万人を対象に有効性を確認する。令和4年3月末までの実用化を目指す。
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ベトナムで25日に始めた治験では、プラセボ(偽薬)を投与した場合と比較する。国内では人口の約8割がワクチンを接種済みのため未接種者の確保が難しく、偽薬との比較試験を大規模で行うことが難しくなっている。同社は今後、フィリピンなど東南アジア各地で治験を行う。
一方、国内外で数千人を対象に、すでに実用化されている他社のワクチンと効果を比較する治験を来年1月にも開始する。これらの最終段階の治験データを基に承認申請を行う。同社は生産拠点の整備を岐阜県内で進めており、年間3千万人分以上の供給体制を構築する。
また、新たな変異株「オミクロン株」に関しても対応するワクチンの開発を検討している同社の広報担当者は「パンデミックの早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するため、国産ワクチンを1日も早く開発・供給できるよう注力する」と話している。