ロイター通信は8日、エチオピア北部ティグレ州の避難民キャンプが7日夜に空爆を受け、子どもを含む56人が死亡、30人が負傷したと援助関係者の話として報じた。北部に拠点を置き政府と紛争を続ける反政府勢力ティグレ人民解放戦線(TPLF)は、政府軍による「無情な無人機攻撃がまた行われた」と主張した。
2019年のノーベル平和賞受賞者、アビー首相が率いる政府軍は今回の空爆についてコメントしていないが、20年11月に戦闘が始まって以降、市民を標的にした攻撃を繰り返し否定している。
エチオピア北部の紛争を巡っては、人道危機が深まる中でTPLF側が昨年12月に国連に停戦交渉の仲介を求め、兵士を前線からティグレ州に撤退させた。政府側も同州への進軍停止を発表。和解に向けて拘束していた反政府勢力の指導者を解放するなどし、戦闘収束の兆しが出ていた。(共同)