令和4年 成長への展望

    三菱重工業社長 泉沢清次さん(64) 脱炭素を見据え 多様な選択肢提案

    インタビューに応じる三菱重工業の泉沢清次社長(黄金崎元撮影)
    インタビューに応じる三菱重工業の泉沢清次社長(黄金崎元撮影)

    ――昨年の振り返りと今年の抱負は

    「昨年は新型コロナウイルスと脱炭素の潮流が事業に大きな影響を与えた。コロナの影響を受けた事業は回復の兆しが見えつつあるが、半導体(不足)の影響は払拭できていない。今年は中期経営計画(令和3~5年度)の2年目を迎えるが、目標達成の正念場の年になる。成長分野や新領域を実効あるものにしたい」

    ――脱炭素化の動きについてはどうか

    「想像よりも速い流れで、昨年は水素やアンモニアに関する機器や二酸化炭素(CO2)回収などの問い合わせが活発だった。ただ、炭素税などの制度設計が決まっていないため、具体的に商談が進むかどうか少し不透明感がある。まだ、先行きが見えないが、早い段階から顧客にいろいろな選択肢を提案していきたい」

    ――事業を凍結した国産初のジェット旅客機「スペースジェット」の完全撤退の可能性は

    「今は計画しているものを進めている。話せる段階ではない」

    ――12年度に物流自動化システムなどモビリティー分野で、売上高7000億円を見込むが

    「半分は既存事業を伸ばし、残り半分はM&A(企業の合併・買収)を考えている」

    ――経済安全保障対策は

    「従前から取り組んでいるが、今後はサプライチェーン(供給網)や技術情報の取り扱いも出てくるので、動向を注視したい。そのために情報収集や対策を検討するタスクチームを立ち上げた」

    (黄金崎元、写真も)


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