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“他人の家”の車庫に停める「駐車場シェア」が人気の理由 コロナ禍で思わぬニーズ発掘も

個人宅や商業施設などの使われていない駐車場を貸し借りする「駐車場シェアリング」の人気が高まっている。借り手は事前にスマートフォンのアプリで駐車場を予約することができ、駐車料金が従来型のコインパーキングより割安になることも多い。市場参入が相次ぐ中、日本でのサービス導入の先駆け的存在である「akippa」の会員数は昨年末に250万人を突破した。車で出かけた際に目的地近くに着いてから駐車場の「空」標示を探すといったストレスを解消できるとあって、一層の市場拡大が見込まれている。ここ数年は新型コロナウイルス禍による経済活動や生活の変化も追い風になっているもようで、事業者側も思わぬニーズの発掘に驚きを隠せない様子だ。

駐車場シェアの人気の背景には現状のサービスへの不満があるようだ(Getty Images)※写真はイメージです
駐車場シェアの人気の背景には現状のサービスへの不満があるようだ(Getty Images)※写真はイメージです

■「予約できるので安心」

「車なら15分で着く場所に、電車では遠回りを強いられて1時間かかることもある。予約できる駐車場があれば車での外出も安心なので、電車で時間を無駄にすることはない」。東京都内に住む40代の男性会社員は駐車場シェアの便利さを満足げに説明する。

2014年にサービスを開始したakippaの会員数は2016年末では20万人。しかしその後は毎年50万人前後のペースで増加し、昨年末に250万人に達した。一方、駐車場も全国に3万台分以上を確保しており、2023年までに倍増させる目標を掲げている。

サービスを拡大させるのはakippaだけではない。カーシェア事業を手掛けてきたアースカーも2017年開始の駐車場シェアサービス「特P」で1万台分の駐車場を確保。「タイムズ」のブランドでコインパーキングを展開するパーク24は、駐車場シェアには「タイムズのB」として参入し、昨年10月末で2万4426台分の駐車場が利用可能だ。1年前より3200台以上増えているという。

■迷惑駐車の解消にも一役

駐車場シェアは、個人や企業が貸し出したい駐車場をシェア事業者に登録し、駐車場を借りたいドライバーとマッチングさせる仕組み。マイカー売却で使われなくなった個人宅の駐車場や、コインパーキングや月極駐車場の一部のスロットまで、さまざまな駐車場が登録されている。

ドライバーはスマートフォンのアプリで探した駐車場を事前に予約することが可能。料金は地域差があるが、利用時間次第で周辺のコインパーキングよりも割安になることが多く、クレジットカードなど予め登録した支払い方法で決済される。このため運転しながら空いている駐車場を探して料金を検討したり、時間を気にしながら出庫時の支払いで慌てるといった、車での外出時のストレスから解放される。

akippaがサービスを始めた2014年は、まだ「シェアリング」の言葉も十分に浸透していなかったが、その後、東京五輪に向けて民泊事業が話題になるなどし、駐車場シェアの認知度も高まってきた。富士経済研究所が2020年3月に発表した調査によると、駐車場シェアの市場規模は2019年で56億円。2030年には360億円まで拡大すると見込まれている。サッカー場やイベント会場の周辺など、特定の日時に大量の集客が見込まれる地域で公式の駐車場を補い、迷惑駐車などの混乱を解消するといった役割も果たすようになった。

■コロナ禍での通勤ニーズの変化に対応

また、最近の日本経済を揺るがしているコロナ禍も、駐車場シェアの普及を後押ししている側面がある。感染拡大防止のために休業や稼働率の低下を余儀なくされたホテルや商業施設などの駐車場がシェア用に登録されるなどして利便性が向上したためだ。


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