高級魚クエのハイブリッド種を今秋も販売へ 和歌山

    和歌山県のみなべ町漁業生産組合が販売していたクエタマ=昨年11月、同町の堺漁港
    和歌山県のみなべ町漁業生産組合が販売していたクエタマ=昨年11月、同町の堺漁港

    和歌山県のみなべ町漁業生産組合が、高級魚として知られるクエと、沖縄県沖などに生息するハタ科のタマカイを交雑したクエタマを昨年11月1日から販売したところ、12月31日までに出荷サイズになった約220匹が完売したことが分かった。クエのような上品な味わいがありながら、成長が早く価格も比較的安い。好評だったことを受け、組合は今年も同じ期間で継続販売する方針を決定。来年以降も稚魚を育てて販売を続けたいとしている。

    今年11月から販売される予定のクエタマ=和歌山県みなべ町の堺漁港
    今年11月から販売される予定のクエタマ=和歌山県みなべ町の堺漁港

    クエは鍋や刺し身で食べられている高級魚で、天然ものは1キロあたり1万円程度する。クエの養殖は近畿大が成功しているが、出荷するには早くても3年かかっていた。

    このため、近畿大は平成23年に、成長が早い同じハタ科のタマカイとの交雑に成功。クエタマは2年で出荷でき、東京と大阪の近畿大関連のレストランで販売しているが、数は限られている。

    近畿大によると、タマカイは中国南部や東南アジアでは高級魚として知られている。「小学館の図鑑Z日本魚類館」によると、ハタ科最大で、全長2メートル・体重300キロを超え、太平洋などに分布する。


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