沖永良部島(鹿児島県)の子供たちに雪を届ける取り組みが8日、兵庫県香美町の兎和野(うわの)高原であり、大型冷凍車の荷台いっぱいに新雪が積み込まれた。冷凍車は11日に沖永良部島に到着し、13日には地元の子供たちが雪遊びを楽しむという。
同島では、新型コロナウイルス禍で子供たちも外出が不自由となり、島民が「さみしい思いをしている子供たちに雪遊びをプレゼントしたい」と企画。同島出身の兵庫県尼崎市の男性を通じて、大阪府門真市との交流事業で高原の雪を送ったことがある県兎和野高原野外教育センターに協力を依頼した。
兎和野高原(標高550~750メートル)は兵庫県北部の豪雪地帯で、現在も1・6メートルの積雪がある。一方、沖永良部島は奄美群島の南西部に位置し、人口は約1万2千人。2月の気温は20度前後で、雪とは無縁な地域。コロナ禍や、昨年発生した小笠原諸島の海底火山の噴火による軽石が島にも漂着し、漁業などに影響が出ているという。
この日は沖永良部島の世話人として、運送会社役員の竹島五十二さん(67)が飛行機とレンタカーを乗り継ぎ、途中、知人を通じチャーターした大型冷凍車(20トン)と合流して高原に到着した。
当初は、阪神間の島出身者らの応援団約20人が高原に駆けつける予定だったが、天候を理由に断念。それでも竹島さんやセンターの職員らが一緒に、小型除雪機とブルドーザーを使って高原の雪を冷凍車の荷台いっぱいに積み込んだ。
竹島さんは「雪のイベントは島の今年一番の明るいニュース。大勢の協力で、雪を見たことのない島の子供たちに兵庫の雪を届けることができます」と感謝。13日のイベントでは島内の子供たち約200人や大人が参加し、雪だるまを作ったり、雪合戦をしたりして遊ぶという。































