今春の第94回選抜高校野球大会(3月18日開幕)出場が有力視されていた聖隷クリストファー(静岡県浜松市)の〝落選〟をめぐり、日本高校野球連盟は「これ以上の説明を差し控えたい」との所見を発表し、幕引きを図ろうとしている。だが、丁寧な選考理由の説明など静岡県高野連の要望に対しては事実上のゼロ回答。すっきりしない「灰色決着」は、関係者にやりきれない思いを残しており、明確な選考基準が求められる。
最後通告
日本高野連の所見が発表されたのは今月10日。選考理由について「さまざまな角度から議論し決定に至っていることから、その詳細な内容は公開になじまない」として、総合的な判断から「これ以上の説明を差し控えたい」と結論づけた。
さらに「決定した出場校32校と補欠校は最終のもの」との宝馨(たから・かおる)選考委員長のコメントも添えた。選考結果は覆らない-という最後通告にも等しい内容だった。
静岡県高野連は「残念だが、受け止めざるを得ない。要望後も日本高野連といろいろなやりとりをした結果だ」とコメントする。聖隷の上村敏正監督は「『はい、分かりました』というわけにいかないが…」と苦渋の表情をみせた。
「禍根残す」
物議を醸した選考騒動の発端は1月28日。選抜出場校を決める選考委員会が開かれたが、昨秋の東海大会で準優勝していた聖隷に吉報は届かなかった。
過去の例から「間違いなく選ばれる」と信じ込んでいた、校長を兼務する上村敏正監督も、そして報道陣も、東海地区(2枠)で東海大会優勝の日大三島(静岡県三島市)に続く2校目に大垣日大(岐阜県大垣市)が選ばれた瞬間、耳を疑った。































