はじめに
退職する際に会社に提出する退職届。会社の指定のフォーマットがないケースでは、自分で作成する必要があります。最近ではパソコンでの作成をする方もいますが、自筆での作成が必須のケースも。
はじめて手書きで退職届を作成する方は、どのように書けばいいか悩まれる方もいるのではないでしょうか。この記事では、はじめて手書きの退職届を書く方に向けて、作成のポイントや注意点を解説します。退職届を作成する際の参考にしてください。
退職届は手書き? パソコン?
退職届の作成方法は、法律上で定められていないため、手書きとパソコンのどちらで作成しても問題はありません。
まずは、パソコンや手書きの指定や、決められたフォーマットがあるかどうかを会社の就業規則で確認しましょう。就業規則には、退職届のフォーマットだけではなく、提出期限や提出先など、会社の細かなルールの記載があります。就業規則でわからない点があった場合は、人事担当者に確認をするとよいでしょう。
退職届のフォーマット指定がない場合は、自分で作成する必要があります。近年では書類のほとんどをパソコンで作成しますが、退職届は手書きを求める会社も多くあります。また、パソコンで作成する場合でも、署名だけは手書きにするのが一般的です。
退職届を手書きする場合に用意するもの3つ
ここでは、手書きで退職届けを作成する際に用意するものを紹介します。
1.用紙
退職届の用紙には、白の便箋を用意しましょう。薄い色であっても色付きは正式な書類には不向きといえます。柄のない無地の便箋で、厚みや材質などはこだわる必要はありません。
サイズは、手書きのケースではB5が一般的ですが、A4サイズでも問題はありません。罫線はあってもなくてもどちらでも可。罫線があると文字を書く際の見た目が整いやすいです。無地の紙に字をまっすぐに書く自信がない方は、罫線が印刷されているタイプをおすすめします。
2.ペン
退職届に使用するペンは、黒色のボールペンが一般的です。黒のサインペンでも問題はありません。太さは0.7~1.0ミリが太すぎず、細すぎないためおすすめです。万年筆を使用する際も、黒色のインクを使用しましょう。書道経験のある方は、筆ペンなどの毛筆での作成も可能です。
正式な書類には鉛筆や摩擦で消えるボールペンは不向きです。退職届は提出したら撤回できない正式な書類のため、筆跡が消せる文具は避けましょう。内容を書き換えるなどのトラブルを未然に防ぐ目的もあります。
3.封筒
封筒の色は用紙同様に白を選びましょう。茶色の封筒は、簡易な事務用のため、退職届の提出には不向きです。郵便番号を記入する枠が印刷されていないタイプが望ましいといえます。中身が透けないように、少し厚みのある二重封筒がおすすめです。
大きさは、B5サイズの用紙を使用した際は「長形4号(長4)」を。A4サイズの用紙を使用した際は「長形3号(長3)」がおすすめです。また縦半分、横半分の四つ折りで封入する洋封筒の使用は避けましょう。
退職届の正しい書き方
ここでは、退職届の正しい書き方を解説します。
縦書きの場合
【記入例】
一行目 → 退職届
二行目の一番下 → 私事(または私儀)
三行目 → このたび一身上の都合により、〇年〇月〇日をもって、退職いたします。
四行目 → 〇年〇月〇日(提出日)
五~六行目下段 → 自分の所属部署名、フルネームと捺印
七~八行目 → 会社名と代表者名(正式名称で書く)
【解説】
二行目の「私儀、私事」とは、正式な文書において、自分に関してのことを書く際に使う書き出しの言葉です。謙遜の意味を込めて、他の字よりも少し小さく書きます。
退職理由は、自己都合退職の場合は「一身上の都合」と記載し、会社都合の場合は会社に記載方法を確認をしましょう。退職の日付は、自分の希望日ではなく、会社と合意した日付を書きます。年号は和暦、西暦を合わせましょう。
横書きの場合
【記入例】
一行目 → 退職届
二行目 → 〇年〇月〇日(提出日)
三~四行目 → 会社名と代表者名(正式名称で書く)
五~六行目 → 自分の所属部署名、フルネームと捺印
七行目の右端 → 私事(または私儀)、
八行目 → このたび一身上の都合により、〇年〇月〇日をもって、退職いたします。
最終行 → 以上
【解説】
書く内容は、縦書きとほぼ同じですが、記載の順番が縦書きと横書きで異なるため注意しましょう。日付や宛先、自分の名前を上段に書き、最終行には、「以上」を追加して書きます。
退職届の折り方と封筒の書き方
ここでは、退職届を封入する際の便箋の折り方と封筒の書き方を解説します。
便箋の折り方
便箋の折り方は三つ折りが一般的ですが、四つ折りでも問題はありません。四つより多く折るのはマナー違反のため、四つ折りで封筒に入らない場合は、封筒のサイズを変えましょう。
三つ折りは、長辺を三つ折りにします。下の部分の3分の1を上向きに折り、上の部分を下向きに折り重ねます。特に三つ折りは幅が難しいため、定規を利用してもよいでしょう。
四つ折りは、長辺の下半分を上に向かって折ります。さらに、もう一回下半分を上に折り上げてください。この順番で折ることで、受け取った側が開いたときに、書き出しが最初に目に入ります。
退職届は、便箋の右上が封筒裏側の右上となるように封入します。折れ曲がったり、しわがつかないように丁寧に扱いましょう。
封筒の書き方
退職届は、封筒に入れて提出をします。封筒の表面に「退職届」とだけ記入し、会社名などの宛先の記載は不要です。インクは黒で、ボールペンやサインペンが無難といえます。書く場所は、横書きならは中央付近、縦書きなら中央より少し上のあたりが望ましいです。裏面の左側の下部には、所属部署とフルネームを記載しましょう。
また、なんらかの事情で、郵送で提出する際には、退職届を入れた封筒をさらに、郵送用の封筒に封入して提出します。
退職届を手書きする場合の注意点2つ
ここでは、退職届を手書きで書く際の注意点を解説します。
1.修正ペンは使用しない
退職届を書き間違えた場合に、修正ペンや修正テープの使用は避けましょう。ビジネス上の正式書類には、修正ペンは使用しないのがマナー。
ビジネス文書では、二重線の取り消し線に押印をして訂正する方法もありますが、退職届では使用しません。もう一度手書きで書き直すことは手間に思えるかもしれませんが、辞めるからといって手は抜かずに、社会人としてのマナーは守りましょう。
2.一度提出すると撤回できない
退職届は、会社と退職を合意したあとに提出する書類です。一般的に、提出し会社が受理した時点で、撤回ができないため注意しましょう。
退職届と似た書類に「退職願」があります。退職願は、退職する意思表示として使用するものであり、退職届とは異なり撤回可能なケースが一般的です。
まとめ
この記事では、手書きでの退職届の作成ポイントについて解説しました。仕事上パソコンでの書類作成が増え、手書きの機会は減りましたが、退職届に関しては手書きで書くケースが多いです。
退職届の文面は、統一されています。円満退職のためにもポイントをおさえて、ビジネスマナーに沿った退職届を作成しましょう。
































