はじめに
在宅勤務は、通勤時間の削減、人材確保、生産性の向上が期待される働き方のひとつです。
2022年現在では、新型コロナの影響により在宅勤務を導入する企業も増えています。
しかし、これまで直面しなかったような在宅勤務ならではの問題に悩む企業も少なくありません。今回は、在宅勤務の問題点の実例を4つ取り上げ、有効な解決策を解説します。
在宅勤務とテレワークの違いとは?
自宅で業務を行う「在宅勤務」と同じように考えられがちなのが「テレワーク」。在宅勤務とテレワークの違いを説明します。
▼在宅勤務とは「自宅で業務を行うこと」
テレワークとは、「Tele(離れた)」と「Work(仕事)」を組み合わせたものであり、「離れた場所で仕事をする」という意味の造語です。
在宅勤務をはじめサテライトオフィス勤務やモバイルワーク、リモートワークの総称がテレワークとなります。テレワークが従業員の任意の場所、時間で働くことを意味しているのに対して、在宅勤務は「自宅でのみ業務を行うこと」を指します。
つまり、テレワーク=在宅勤務ではなく、テレワークに分類される働き方のひとつが在宅勤務なのです。在宅勤務は自宅で業務を行えるため、通勤の負担や交通費の削減、育児や介護などの家事との両立、従業員のワークライフバランスの向上を実現するでしょう。
在宅勤務における問題点4つ
ここからは、在宅勤務で起こりがちな問題点を4つ説明していきます。事前に起こり得る問題点を把握することで、対処がしやすくなります。
1.仕事とプライベートの線引きが曖昧
在宅勤務において問題となるのが、仕事とプライベートの線引きが曖昧になることです。働く場所が自宅なので、緊張感や集中力、業務の取り組み方に影響が出やすくなります。
たとえば、集中できず仕事に身が入らずにだらだらと業務に取り組んでしまう、サボってしまうなど。また、オフィス勤務に比べ出退勤の基準が曖昧になり、かえって仕事を長時間続けてしまうパターンも少なくありません。
そのため、従業員側は仕事のオンとオフの切り替えがしづらく、一方で管理者側は従業員がどのように勤務しているのか、労働実態の把握が困難になりがちです。
2.コミュニケーション不足が生じる
在宅勤務での問題点の二つめは、社員間のコミュニケーション不足です。オフィスでは声をかけるだけでできた業務上の相談や情報の共有も、在宅勤務では難しくなります。
また、文字や声だけの簡素なやりとりは、相手の表情や態度がわかりづらく、誤解を招いてしまうことも。こうしたコミュニケーション不足は、団結力やチームワークの低下、情報共有の不足による業務上のトラブルにつながりかねません。
3.従業員を正当に評価しにくい
在宅勤務では、従業員の働いている姿を確認できません。そのため、業務の途中経過がわかりづらく、評価基準が結果のみになりがちです。
業務を行う上での評価は、結果だけでなく業務の経過や仕事に対する姿勢など多岐に渡ります。オフィス勤務とは違い、それらすべてを確認できないため、評価が難しくなります。
4.業務の進捗状況を把握しにくい
業務の進捗状況の把握も課題のひとつです。オフィスでは管理者が直に確認できた進行状況も、在宅勤務では、本人からの報告のみとなります。そのため、おおよその進捗具合の判断がしづらくなるのです。
進捗状況が不明瞭になると、従業員側は次に何をしたらいいのか、どのタスクを求められているのかが曖昧になってしまいます。一方で管理者側も、指示やアドバイスが困難となり、全体の進行に支障が出る恐れがあります。
在宅勤務における問題点の解決策4つ
ここからは、例に挙げた4つの問題点を解決するための方法を説明します。問題点の解決のみでなく、在宅勤務における快適な業務環境づくりにも役立ちますので、ぜひ参考にしてください。
解決策1:クラウド勤怠管理ツールを導入する
在宅勤務における業務のオンとオフの切り替えには、クラウド勤怠管理ツールの導入が有効です。勤怠管理ツールを活用することで、在宅勤務中の出退勤管理や就業時間、休憩時間の把握ができます。従業員にとっても出退勤の報告により、オンとオフの切り替えがしやすくなるでしょう。
また、クラウド型の勤怠管理ツールは導入コストが抑えられます。システム運用もしやすく、働き方改革関連法といった法改正の対応もスムーズです。クラウド勤怠管理ツールの導入は、従業員が仕事とプライベートの線引きに役立てられるだけでなく、管理者側にとっても勤務状況の把握が容易になります。
解決策2:コミュニケーションツールを導入する
コミュニケーション不足の解決には、在宅勤務に合ったコミュニケーションツールを活用してみましょう。メールやチャットにとどまらず、ビデオ通話やオンライン会議が行えるツールを導入すれば、文字だけに限らないコミュニケーションが取れます。
相手の発言だけでなく表情がわかるツールの活用は、伝達ミスや誤解によるトラブルが回避できます。在宅勤務では、より円滑にコミュニケーションが取れる体制、環境づくりが必要です。適切なツールの使用は、情報共有とチームワークの向上に役立ちます。
解決策3:在宅勤務用に評価制度の見直しを行う
在宅勤務における勤務評価の問題を解決するためには、従来の評価制度そのものを見直しましょう。評価基準を新たに設定することで、在宅勤務中の従業員の評価が正しく行えるようになります。
たとえばコミュニケーションツールや勤怠、タスク管理ツールを用いれば、結果のみでなく勤務姿勢や進捗を確認でき、総合的な判断も可能です。正しい評価を行うための基準の設定は、評価する側、される側両者の懸念解消のためにも重要です。
解決策4:タスク管理ツールを導入する
進捗状況の把握には、タスク管理ツールを取り入れましょう。個々の業務の把握だけでなくチームの業務にも対応できるため、組織全体のスケジュール管理がしやすくなります。
在宅勤務であっても、誰がいつ何をおこなっているかが可視化できるため、タスク進捗確認の回数が減ったり、優先順位をつけやすくなります。
在宅勤務には問題点だけでなくメリットもある
問題点が注目されてしまいがちな在宅勤務ですが、メリットもあります。在宅勤務を導入することで得られる主なメリットを二つ解説します。
▼経費削減につながる
在宅勤務の導入は、さまざまな経費の削減になります。出社する必要がないため、通勤時の交通費や出張費などの削減が可能です。また、通勤時間がなくなるため従業員の移動コストもかかりません。在宅勤務とオフィス勤務を使い分けることで、出社人数を減らし、オフィスの縮小を行うという例もあります。オフィスの縮小は賃料の節約につながります。このことから、在宅勤務はコストカットにおいても優れた手段であると言えるでしょう。
▼多様な人材を確保しやすくなる
在宅勤務を認めることで、優れたスキルをもつ人材を確保しやすくなります。育児や介護などの事情で自宅を離れられない、海外・地方在住で出社が困難な人材でも、在宅勤務であれば自宅にいながら業務ができるようになるためです。そのため、多様な人材を確保しやすくなるでしょう。
まとめ
在宅勤務は、これまでになかった働き方のため対応が難しく、問題点が多いと思われがちです。しかし、在宅勤務は交通費などの経費の削減や、人材の確保、場所にとらわれないより自由な働き方ができるなどのメリットもあります。
在宅勤務は、まだ広まりはじめたばかりの新しい働き方ですが、問題点や不便な部分を解決し、より働きやすい環境を整えるためのツールも数多く存在します。課題や状況に合わせたツールを活用し、制度を見直しながら、柔軟に対応していきましょう。

































