はじめに
退職後、次の就職先が見つかるまでの間、受給できる失業手当。手当を受け取るためには、在職中に雇用保険に加入しておく必要があります。しかし、全ての加入者が受け取れるわけではありません。
この記事では、手当を申請するための条件や申請する際の注意事項について解説します。手当を申請する際の参考にしてください。
失業手当を申請するための条件は?
失業手当を申請するための条件は大きく2つあります。ここでは、失業手当の申請条件について確認しましょう。
失業状態であること
手当を申請する際の1つめの条件は、申請時点で「失業状態」と認定されることです。失業状態とは、「働く意思があり、いつでも就職できるのに次の就職先が決まらない状態」を指します。
「退職後はすぐに働かないで少し休みたい」「今すぐに就職するつもりがない」という方は、働く意思がないとみなされます。また、自分で会社を起業予定の方や個人事業主として開業準備中の方も失業状態ではありません。
そのほかにも、病気や出産、介護などですぐに働けない方も条件から除外されます。そのためまずは、自身が失業状態に当てはまるかどうか確認しましょう。
雇用保険に加入していること
2つめの条件は雇用保険に加入しているかどうかです。失業手当を申請するためには、雇用保険に一定期間加入しておく必要があります。必要な加入期間は、次のように退職理由ごとに異なります。
・自己都合退職⇒退職する前の2年間に11日以上出勤した月が、通算で12カ月以上
・会社都合退職⇒退職する前の1年間に11日以上出勤した月が通算6カ月以上
また、加入者には「雇用保険被保険者証」と、退職後に「離職票」が配布されます。離職票には出勤日数が書かれているため、失業手当を申請するために必要な雇用保険の加入期間が足りているかどうかを、申請前に確認できるでしょう。
失業手当の申請の流れ
ここでは、手当の申請の流れについて解説します。
1.必要書類を準備する
失業手当を申請するために、手続きに必要な以下の書類を準備しましょう。
【主な必要書類】
・雇用保険被保険者離職票(離職票1、2)
・マイナンバーカードなどの個人番号確認書類
・身分確認書類
・写真2枚
・印鑑
・預金通帳・キャッシュカード(本人名義のみ)
離職票は1と2の2種類があり、申請には両方が必要です。雇用保険に加入していた社員が退職し会社が喪失手続きをすると全ての加入者に、離職票1が交付されます。離職票2が自宅に届かない際は、退職した会社に「離職票の発行」を依頼しましょう。
2.ハローワークで手続き
手当を受けとるためには、必要書類を持ってハローワークに行き、求職の手続きをします。必要書類を忘れると、手当の受給がその分遅れる可能性もあるため、気をつけましょう。
手続きをするハローワークは、自分の住民票の住所を管轄しているハローワークです。基本的には、平日の8:30~17:00までですが、土日に開所しているケースもあります。また、新型コロナウイルスの感染拡大防止策により、特例として来所以外の方法で受付をしているケースもあります。ホームページや電話で各ハローワークに確認しましょう。
3.雇用保険説明会に参加
求職手続きをすると、自分が参加するべき「雇用保険受給者初回説明会」が案内されます。特別な事情がない限り日程の変更はできないため、必ず出席しましょう。事前に渡される「雇用保険受給者のしおり」や印鑑を持参してください。基本的に、説明会はこのしおりにそって説明があります。また、説明会の中でハローワークの活用方法や職業訓練の案内があるケースも。
説明会では、「雇用保険受給資格証」と「失業認定申告書」が配布され、次回の認定日の日時が伝えられます。次の認定日までに、求職活動が必要ですが初回説明会は、求職活動の1回分の実績として認められます。
4.失業認定日に求職活動を報告
指定された認定日にハローワークに行き、失業認定申告書に求職活動を記載して報告。失業状態の認定を受けます。求職活動は、自宅のパソコンで転職サイトを閲覧しているだけでは活動実績に認定されず、「応募」した実績が必要なため注意しましょう。また、ハローワークでの職業相談、講習やセミナーへの参加は実績として認められます。
認定日の2回目以降は、4週間後の同じ曜日に指定されます。求職活動実績が足りないと、不認定となり、手当の支給が延期となります。新型コロナウイルス感染拡大防止の緊急事態宣言の発令中に関しては、活動実績の扱いが変更になっています。管轄のハローワークに確認をしましょう。
5.失業手当を受給
認定日に受理されたら、約1週間で失業手当が銀行口座に振り込まれます。以後、次の就職先が決まらなければ4週間に1回失業状態の認定が、自分の所定給付日数分まで繰り返されます。失業手当を受けとれるのは、原則退職してから1年間なので、申請期間を過ぎないように気をつけましょう。
失業手当の申請で注意すべき点
ここでは、失業手当の申請の注意点について確認しましょう。
待期期間中のアルバイトについて
手当の申請をした方は、退職理由に関わらず7日間の待期期間が発生します。この7日間は、どのような就労も不可です。もし、この期間にアルバイトをしたら、待期期間が延長されるため気をつけましょう。
待期期間後、自己都合退職の方は2~3ヶ月の給付制限期間があります。この期間のアルバイトは認められるケースが多いため、管轄のハローワークで確認をしましょう。
また、手当の受給の開始後にも、アルバイトはできますが申告が必須です。週に20時間以上かつ1カ月以上雇用されるケースでは、アルバイト契約であっても失業状態から外れます。1日に4時間以内の労働でも、収入によっては基本手当が減額することも。
1日に4時間以上の就労や1日分の失業手当の80%以上を稼ぐと、該当する日数分の失業手当が次回以降の認定に先送りされます。失業手当受給の条件から外れないためにも、アルバイトを行う場合には労働時間や日数などに注意してください。
不正受給が発覚した場合
アルバイトをした際は、認定日に「失業認定申告書」に記載が必要です。もし事実と違う記載や偽った記載は不正受給となり、発覚した場合は「支給停止」になります。不正に受け取った分の手当を返還するだけではなく、受け取った額の2倍の金額相当の納付命令があります。悪質なケースは、詐欺罪にあたるため不正な申告は絶対にやめましょう。
まとめ
失業手当は、失業者の生活を守るために必要なものです。しかし、手当だけでは生活費が足りない方もいるでしょう。その場合、7日間の待期期間以外であれば、アルバイトなどが可能です。
不正受給をしてしまうと、罪に問われたり手当の倍の金額の返還が必要になることもあるため正しく失業手当の申請を行いましょう。
































