はじめに
求職活動の際、職務経歴書を提出するケースはよくあります。職務経歴書を作成する際、退職理由をどこまで書けばいいのか悩む人も多いでしょう。プライベートな理由をどこまで記入するべきなのか、どう書けば採用担当者に好印象を与えられるのか気になるところです。本記事では、職務経歴書の退職理由の書き方について例文を交えながら紹介していきます。
基本的に職務経歴書に退職理由を書く必要はない
実は、職務経歴書に退職理由を書かなければならないわけではありません。いつ・どの会社を退職したことが分かれば基本的にはOKです。特別な理由がない限り、具体的な退職理由は書かず「一身上の都合により退社」など定型文を使って表現することをおすすめします。
退職理由はどうしてもネガティブな内容になりがちです。そのため、書かない方が応募先企業に悪印象をあたえずに済むケースが多いからです。退職理由の書き方1つで、採用担当者の印象が大きく変わってしまうことも頭に入れておきましょう。
ただし、あえて退職理由を記入する方が応募先企業に良い印象を与えるケースもあります。自分の退職した理由をしっかりと考え、それに合わせて記入するべきか否かを判断することが大切です。
職務経歴書に退職理由を書くべきケース3つ
基本的に退職理由は記入不要と伝えましたが、以下の3つのケースについてはあえて記入することをおすすめします。
1.転職回数が多い場合
転職回数が多い場合、すべての退職理由が「一身上の都合により退社」だと、書類を見た採用担当者にとって「すぐに辞める人」「何か嫌なことがあるとまた辞めるのではないか」という疑念を抱かせてしまいます。転職回数が多いのには、それなりの理由があるはずです。
それをしっかりと伝えなければ、書類選考の時点で損をすることになってしまいます。それが理由で書類選考に通過できなければ、面接でアピールもできません。採用担当者にとって「すぐに辞める人」は一番避けたい人物です。そのため、そうではないことをアピールするために退職理由を記入しておくことをおすすめします。
2.離職期間が長い場合
離職期間が長い場合「この間は何をやっていたの?」と採用担当者に思われてしまう可能性が高いです。ブランク期間が長ければ長いほどネガティブな印象になりがち。さらにその間に資格取得や学校に通うなど、何もしていないとなると印象は下がってしまいます。離職期間が長い場合、その期間中何をしていたのかを記入しましょう。
何をするために離職したのか、それを達成するために離職期間が長くなってしまったというストーリーが伝わるようしっかり記入が必要です。
3.応募動機と退職理由を関連付ける場合
今回の応募動機と退職理由がリンクしている場合は「貴社に入社するために会社を辞めてきた」という熱意を与えられます。この場合は当然退職理由を記入すべきです。
ただし、その場合も「貴社に入社したいため退社」というシンプルな書き方ではなく「〇〇の仕事に就きキャリアアップしたいと考えたため退社」など具体的な理由を書きましょう。それにより退職理由がポジティブな印象に変わります。
職務経歴書に退職理由を書く際の注意点2つ
職務経歴書に退職理由を書く際に注意しなければならないことがあります。次の2つについて気を付けながら、作成していきましょう。
1.ネガティブに捉えられる内容は避ける
当然ながら、ネガティブに捉えられてしまう内容は避けるようにしましょう。例えば、転職理由で上位を占める「人間関係の悪さ」が実際の退職理由であったとしても、それをそのまま書くと採用担当者からすればネガティブな印象になってしまいます。
「他の社員ともめごとを起こすのではないか」「またすぐに辞めるのではないか」など、ネガティブな印象を持たれ次の選考に進みにくくなってしまいます。内容を記入することでマイナスな印象になるようなネガティブな内容は、わざわざ記入しなくても大丈夫です。
2.限られた文章量では正しく伝えられない場合がある
職務経歴書に記入できる文章量は限られています。その中で、辞めた理由をどこまで正しく伝えられるでしょうか。中途半端に退職理由を書くことで、採用担当者から内容を勘違いされたり「よくある話」として処理されてしまったりすると印象が下がってしまいます。
退職するのに正当な理由があり、きちんと話を聞けば「それは辞めて正解だ」と思える話であっても、それを書面で確実に伝えることは難しいです。特に、採用担当者は多くの書類を毎日見ていますから、退職に至るまでの背景を汲み取ってもらうなど期待してはいけません。こういった理由から「退職理由を書いた方がいい場合」以外のケースでは、特筆しないことがベターです。
職務経歴書の退職理由の書き方をケース別に紹介
では、これらを踏まえた上で実際にはどのように書けばいいでしょうか。例文を紹介します。
自己都合の場合
退職理由を記入したほうがいいケースに当てはまらない場合は、以下のように記入すれば大丈夫です。
【例】
一身上の都合により退社
そのほか、結婚・出産やキャリアアップのための自己都合退社の場合は以下のように記入しましょう。
【例】
結婚の場合
・結婚に伴い、配偶者の転勤先で同居するため退社
・結婚に伴い、配偶者の家業手伝いのため退社
キャリアアップの場合
・〇〇を目指し資格取得のため退社(令和△年×月取得)
・事務職から営業職へキャリアアップを目指し退社
介護の場合
・親の介護のため退社
体調不良・病気などの場合
・令和〇年「××病」を発症し治療に専念するため退社。現在は完治し通常業務可能。
「パワハラや人間関係が上手くいかなかった場合」や「会社に不満があった場合」は、ネガティブに受け取られかねないため、特に具体的な内容は書かないことをおすすめします。
会社都合の場合
会社都合の退職の場合、主に以下のような理由が当てはまります。
・会社の倒産
・リストラ、人員整理
・パワハラやセクハラなどの被害者になり続けられなくなった
こういったケースの場合は「会社都合により退職」で大丈夫です。詳しい内容を記入する必要はありません。ただし、退職勧告され自分で離職願いを提出した場合は自己都合扱いになります。
自己都合の退職であるのに「会社都合により退社」と記入すると、経歴詐称になってしまうため注意が必要です。もしどちらなのか分からない場合には、ハローワークで確認できるので、きちんと確認してから記入しましょう。
期間満了の場合
派遣社員などで、期間が満了して退職した場合には「期間満了により退社」という定型文を使えば大丈夫です。派遣社員の退社理由にそれ以上の内容はありませんので、シンプルに内容が伝わるよう定型文を用いましょう。
まとめ
職務経歴書に記入する退職理由は、基本的に具体的に記入する必要はありません。ただし、記入したほうがいい場合ももちろんあります。今回紹介してきた内容を参考に、自分の場合は記入するべきかしっかり判断しましょう。
上手くいけば退職理由を使ってアピールすることも可能です。ネガティブな印象になりがちの退職理由ですが工夫して記入してみましょう。
































