はじめに
転職の際に企業に送る応募書類の中で、志望動機の欄に苦戦する人は少なくありません。内容はもちろんですが、実は志望動機は「書き出し」が非常に重要な要素となります。この「書き出し」の違いで、面接に進めるか否かが決まるといっても過言ではありません。本記事では、志望動機の書き出しについて詳しく解説していきます。
志望動機の「書き出し」の重要性について
志望動機の「書き出し」は、採用担当者にいかに印象を残せるかを決める重要なものです。採用担当者は、企業によっては一日に多くの応募書類をチェックしています。他の人と同じような書き出しばかりでは、どうしても採用担当者の印象に残りません。
どんなに素晴らしい内容であっても、他の人の応募書類とまぎれてしまい、「続きを読みたい」と感じられないのです。しかし、インパクトのある「書き出し」をすることで、他の応募者と差をつけることができ、本当に読んでもらいたい志望動機の中身まで到達してもらえるのです。
「印象的な志望動機の書き出し」にする方法2つ
では、具体的にはどのような書き方をしたら「印象に残る書き出し」になるのでしょうか。誰でもできる「印象に残る書き出し」の方法を紹介します。
1.タイトルをつける
まず一つ目は、自分が本当に一番言いたいことは何かをタイトルとして記入する方法です。採用担当者からするとその人の志望動機が一目瞭然になるのです。そして担当者は「なぜ、そう思ったのか」「続きを読んでみたい」と、思わせられるのです。
採用担当者は毎日多くの志望動機に目を通すため、類似する内容のものを何度も見ることになります。タイトルをつけることで「また同じような内容か」という採用担当者の流し読みを防ぎ、自分の一番伝えたいことをはっきりと可視化できるのです。
2.結論先行で記載する
「長々と理由を書いてから結論を書く」という方法では、採用担当者が途中で読むのを辞めてしまうことも考えられます。あまりにも理由が長いと「結局何が言いたいの?」と思われてしまうことも。まずは、忙しい採用担当者の目線に立ち、「結論」→「理由」の順番で志望動機を書くように意識しましょう。それによって、採用担当者はあなたの志望動機の結論を理解した上で、志望動機の本文を読めるのです。そのため、よりいっそう深く志望動機を理解してもらえる可能性が高くなるでしょう。
NGな志望動機の書き出し4つ
では次に、志望動機のNGな書き方について陥りやすいものを4つ紹介します。志望動機を書く際には、これらの内容に当てはまっていないかしっかりと確認してください。
1.冒頭で志望動機がわからない内容
よくあるパターンが、志望動機の書き出しが「自分の生い立ち」や「自分の過去のエピソード」から始まるパターンです。例えば、「私は昔から~が好きで大学でも〇〇を専攻しました」という書き方です。
一見、普通の書き出しのように感じますが、採用担当者からすればまだあなたに興味が湧いていない時点でそのような話をされても「いきなり何の話?」という印象にしかならないのです。
2.どの企業でも使えるような内容
次に、志望動機の書き出し、どの企業でも使えるような内容であるパターンも挙げられます。この場合、採用担当者は「わが社でなくてもいいのでは」と感じてしまいかねません。
最悪の場合「同じ文章で他の企業にも送っているのではないか」と思われてしまうと、印象は大きく下がってしまいます。「応募先企業でないといけない」という熱意が伝わるような書き出し・文章になるように気を付けましょう。
3.受け身な姿勢の内容
採用担当者が考える「採用したくない人物像」の中で上位に入るのが「指示待ち人間」です。指示待ち人間というのは、人から指示を受けないと仕事ができない人のことをいいます。
「与えられた仕事は、しっかりと責任をもってこなします」などといった文章は、一見見栄えはいいですが、言い換えると「仕事を与えられないとできません」といっているようなものです。こういった「受け身な人だ」と思われてしまう書き方は避けましょう。
4.前職の不平不満についての内容
「前職の〇〇な点が嫌で、今回転職しました。その点、貴社は~」といったように、前職の不平不満を書くというのもNGです。仕事をしていたら少なからず不満は出てきます。それを「不満」として終わらせてしまうか「改善するべき点」として提案できるかが、できる人とできない人の違いといえるでしょう。
また、志望動機に前職の不満を書いてしまうと、「また同じ不満で辞めてしまうのでは?」と考えられてしまいマイナスなイメージを持たれる可能性もあります。
志望動機の書き出しの例文を紹介
ではここからは、実際にどのような書き出しをするべきか例文を紹介していきます。
▼タイトルをつけた例文
【貴社の商品に感謝しているため、今度は自分がその素晴らしさを伝えたい】
私は思春期にひどい肌荒れに悩まされてきました。様々な商品を試しましたがよくならず、母の勧めで貴社の「〇〇化粧水」を使用したところ、肌の状態がとてもよくなりました。
人は少なからず見た目で判断されてしまいます。私は、貴社の商品のおかげで見た目が改善され、同級生からからかわれることが減り自分に自信を持てるようになり、人生が変わったと思っています。
その経験が忘れられず、次は私が「貴社の商品のすばらしさ」を多くの人に伝えていきたいと考え、応募させていただきました。
この例文の場合、タイトルでまず応募先企業に「深い思い入れがあること」を伝えられます。さらに具体的なエピソードや、自身がその商品のユーザーであることを本文に入れ込むことで、営業や開発など幅広い分野で活躍できることをアピールした文章となっています。
▼結論先行の例文
私が貴社に応募させていただいたのは、貴社が全国展開するチェーン店〇〇の多彩なメニューに魅力を感じているからです。私は今まで地元密着の飲食店の経理を担当しておりました。ですが「自身の経理としてのスキルアップを目指し、もっと大きな企業で経験を積みたい」と考えるようになりました。
貴社のチェーン店〇〇は、いつ食べても飽きない落ち着く和食から、つい試してみたくなるような斬新な創作料理など幅広く取り扱っていらっしゃることから、私自身もよく利用させていただいております。また、店内はいつもお客様の笑顔で溢れかえっていることもとても印象的に思っています。
私も貴社のような多くの人を笑顔にする全国規模の会社で働き、これまでの経理の経験を活かしつつさらなる高みを目指し決算業務や経理資料作成などにも携わり貴社に貢献していきたいと思います。
この例文は、まず結論として「なぜ応募したのか」をしっかりと伝えています。その上で「なぜこの企業でないとスキルアップできないと思ったのか」その理由についてもしっかり触れています。
このように、結論→理由という順番に加え「応募先企業でないといけない理由」をきちんと述べることで、「そこで働きたい」という熱意が伝わるのです。
まとめ
応募書類は、書くことが多い上に普段書き慣れていないため、みんな同じような内容になってしまいがちです。しかし、採用担当者の目線で見ると、志望動機の書き出しにインパクトがないと「この人と面接をしてみたい」という気持ちにはなりません。
書き出しを工夫することで次の選考につながる可能性は大きく上がります。志望動機の書き出しを工夫して、本当に自分が伝えたいことが伝わるようにしてみましょう。
































