経理職の転職、成功しやすい時期とは? 未経験でチャレンジする場合のポイントも

    はじめに

    経理職はお金を扱う裏方のイメージがありますが、専門性が高い職種です。中途採用の求人は増加傾向にあり、未経験で経理にチャレンジしたいと考える方も多いでしょう。

    この記事では、経理職で転職を考える方に向けて、経理の転職市場・転職しやすい時期・転職のポイントを紹介します。未経験で経理職への転職を検討している方には経理の仕事内容も説明します。

    経理職の主な仕事内容とは?

    ※画像はイメージです(Getty Images)
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    経理職は企業のお金を管理する専門的な仕事です。経理職の主な仕事は、日次、月次、年次に分けられます。

    日次業務は1日単位で処理する業務であり、現金出納管理、伝票管理、備品管理、経費計算などがあります。月次業務は月単位で処理する業務であり、給与支払、売掛金回収、買掛金支払などがあげられるでしょう。また年次業務は年に1度の決算処理であり、決算書の作成、税金の申告や支払い業務、保険の管理などがあります。

    企業の規模に関わらず、経理業務はすべての企業にある職種です。どのような業種の企業であっても経理職の仕事内容自体に大きな違いがないのが特徴です。

    経理職の転職市場は?

    経理職の中途採用の求人は増加傾向にあります。業績好調な企業が業務拡大のために経理職を募集するケースも多く見られます。経理職はどの企業でも仕事内容が共通しているため、一度身に付けたスキルを活かして、業種を問わず転職ができるのが特徴です。しかし、その分経験者も多いため、好条件好待遇の求人は激戦となるでしょう。

    経理職は、将来的にみるとAIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入により、単純な業務は減っていく可能性があります。専門スキルやマネージメント経験を積むことで、将来的にも必要とされる人材になれるでしょう。連結決算業務、IPO(新規公開株)担当などの専門的な経験を積むと経理スペシャリストとしての強みになります。

    また、マネージメント経験を積むことで、管理職候補として転職する方法もあります。経理職は自分が目指す方向に合わせた経験を積むことで、キャリアアップに繋がる転職ができるでしょう。

    経理職への転職が成功しやすい時期は?

    ここでは、経理職への転職が成功しやすい時期を紹介します。

    ※画像はイメージです(Getty Images)
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    ▼経理職の求人が増える時期を狙う

    経理職の求人は、一年を通して確認できますが、繁忙期前に増える傾向があります。繁忙期は人手が必要なため、即戦力となる経験者を採用することで人員を補強する企業が多いのです。

    また経理職の求人は1月から2月にも増加します。3月決算の企業では、3月から5月が繁忙期にあたるため、4月入社で人員を補強するためと考えられます。

    その次に、求人が増える時期は6月から7月です。決算や株主総会などの繁忙期を終えた後で、9月の半期決算前に採用する企業が多いためです。求人が増える時期を狙うことで、選択肢が広がり、自分の希望にあった転職先を探しやすくなるでしょう。

    ▼狙う企業の決算期を調べる

    年次処理を行う決算時期は、経理職の繁忙期にあたります。日次、月次業務に加えて年次処理を行うため残業も発生する時期です。繁忙期中は採用活動まで手が回らないため、求人が減る傾向があります。そもそも繁忙期には募集を実施していない企業が多いでしょう。

    経理職は、年度末の決算期からその2カ月後の申告期限までが年間最大の繁忙期です。3月決算期の企業は、3月から5月末までが繁忙期にあたります。日本の企業の多くが3月決算期ですが、3月決算ではない企業もあります。狙っている企業がある場合は、決算期を調べて繁忙期は避けて転職活動をするとよいでしょう。

    経理職の転職を成功させるためのポイント3つ

    ここでは、経理職の転職を成功させるためのポイントを3つ紹介します。

    1.キャリアアップにつながるかを見定める

    経理職は専門性が高いため、転職がキャリアアップにつながるかを見定める必要があるでしょう。

    同じ経理職でも、主計(決算担当)、管理会計、財務、税務など幅広く、業種も一般企業の経理財務部門からコンサルタント業、監査法人、税理士事務所など多岐に渡ります。大企業の場合では部署の人数も多く、縦割りに業務が細分化されますが、一般企業では数名で業務を担当しているケースが多いです。

    経理職の求人倍率は高く、幅広い業務の知識があるスペシャリストが求められます。専門性を高めていくことで、年齢が高くてもマネージメント層やCFO(最高財務責任者)、その候補など、高条件の転職に成功する事例も多くあります。経理職の転職では、専門性が深まる、業務経験の幅が広がる、キャリアアップにつながるような職場を探していくとよいでしょう。

    2.転職に有利な資格を取得する

    保有していることで経理職の転職に有利になる資格を、経験者・未経験者に分けて紹介します。

    ■経理職未経験または経験が少ない方におすすめの資格


    ・日商簿記検定:2級以上

    ・FASS検定

    ・ビジネス会計検定

    ・給与計算実務能力検定

    ■経理職でキャリアップを目指す方におすすめの資格


    ・日商簿記検定1級

    ・税理士

    ・公認会計士

    ・米国公認会計士(USCPA)

    経理職へ転職するなら、簿記の知識はあった方がよいでしょう。経理業務の中で仕訳の知識は必須です。未経験可の求人であっても簿記2級以上の資格があると基本知識のアピールにつながるでしょう。

    また、受験条件に制限がある資格や難易度の高い資格もあります。経理は専門性の高い仕事のため、経験と加えて資格を持っているとキャリアップにつながる条件の良い転職の成功に役立つでしょう。

    3.未経験なら業務が細分化された求人を狙う

    未経験から経理職に転職をする場合は、業務が細分化された求人を狙うとよいでしょう。業務が細分化された職場では、スキルによって任せる仕事を調整できるため、未経験者でも採用されやすい傾向があります。

    一方で、経理職の人数が少ない企業の求人は一人で多くの業務を担当するため、スキルと経験が求められ経験者が有利といえるでしょう。また、規模が小さい経理担当は、経理だけではなく人事や総務も兼務するケースもあります。未経験から経理職に転職するなら、経理部門に複数の人数がいて業務が細分化されている企業の求人を狙うと採用につながりやすいでしょう。

    まとめ

    経理職は、今までの経験を活かして専門性を深めながら、仕事の幅が広がる求人を見つけることで長く活躍できる職種です。

    未経験者でも、営業経験者であれば、関係部署と仕事を進める調整力やコミュニケーション能力など現職での経験を活かせる場面も多くあります。今回紹介した転職しやすい時期を狙ったり、転職しやすいポイントを上手く利用し、自分の希望にあったキャリアプランを実現させていきましょう。


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