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本人希望欄の記入事項は希望ではなく絶対条件? 履歴書を書く際の注意点と例文

はじめに

履歴書の「本人希望欄」は、本人が希望していることを何でも書いてよい場所ではありません。採用担当者は希望欄を、希望ではなく絶対条件と認識するケースが多いことを意識しましょう。

この記事では、本人希望欄の留意事項や記入する際の例文を紹介します。希望欄に記入する時には、マイナスの印象を与えないよう細心の注意を払いましょう。

履歴書の本人希望欄とは?

※画像はイメージです(Getty Images)
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履歴書の右下にある本人希望欄は、入社時に妥協できない条件を記入する欄です。希望職種・勤務時間・勤務地や、在職中の方は入社可能日・連絡可能時間帯、また入社に関わる家庭の事情や持病などを記入します。企業側は、記入された内容どおりにならない場合は「入社できない」と判断します。

たとえば、「育児や介護のため勤務時間が限られる」場合。企業側に条件を事前に伝えていないと内定後に企業側から「うちではその条件では採用できない」とされ、内定を辞退せざるをえないケースがあります。内定後に「条件が合わずやっぱり入社できない」という、双方にとって不利益な状態にならないためにも、本人希望欄にて最低条件を企業側とすり合わせることは重要なのです。

履歴書の本人希望欄を書く際の注意点2つ

本人希望欄を書く際に注意しておきたいことを紹介します。

1.記入したことは絶対条件として企業側に捉えられる

本人希望欄は、希望することを気軽に記入する欄ではありません。「希望が通らないと入社できない」という意思表示に受け取られることを前提として記入しましょう。

しかし、希望する内容だけを記入すると採用担当者が判断に困るケースも考えられます。「育児のため16時までの勤務を希望します」などど、理由も添えるとよいです。また、希望条件だけを記入して要求が多い人と思われないよう注意しましょう。

2.絶対条件でないものは面接ですり合わせる

入社にあたり「絶対条件」ではない事項は、本人希望欄に記入をしないほうがよいです。特に給与や待遇に関しては、希望欄に記載しないほうが無難です。

最終面接や遅くても内定が出る段階では、担当者と入社にあたり諸条件を確認する機会があります。面接などの場所で直接会った時に、誠実に交渉をしたほうが印象がよいでしょう。

「家族の介護があるため、自宅から通勤範囲の勤務地を希望します」など、希望が通らないと働けないような事情は本人希望欄に記入してください。しかし、理由がなく「自宅近くの勤務地希望」と記入することは、仕事に対するやる気を疑われる可能性もあります。

履歴書の本人希望欄に書くとNGな内容3つ

履歴書の本人希望欄に、書くべきでない内容があります。

※画像はイメージです(Getty Images)
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1.自己PRや志望動機

本人希望欄に自己PRや志望動機を記入するのは、項目の本来の趣旨と異なります。アピールになるどころか、「独断で仕事を進める人」とマイナス印象を与える可能性も。

なかには複数職種で同時に募集をしている企業では、希望職種を履歴書に明記するよう指示があるケースがあります。希望職種を書く際でも、本人希望欄に自己PRや志望理由の記入はしないほうがよいでしょう。

履歴書は、項目で指定されている内容を書くことがビジネスマナーです。自己PRや志望動機は指定された欄に記入して熱意を伝えましょう。

2.「特にありません」

特に要望する条件がない方は、「貴社規定に従います(準じます)」と書きましょう。「特にありません」と記入するとビジネスマナーを知らないと思われる可能性があります。

また、空欄のまま提出するのはマナー違反です。採用担当者が、「希望がないのか」それとも「記入忘れなのか」どちらか判断できません。転職活動において重要な履歴書に不備がある人は、仕事上でも同じように注意力が足りないと判断されるため、細心の注意を払って記入しましょう。

3.給与や待遇に関する希望

転職にあたり、給与や待遇は気になる方も多いでしょう。しかし、本人希望欄に、給与や待遇に関する内容を記入するのは避けたほうが無難。採用担当者は、入社後に仕事で活躍できる人を求めています。

仕事内容より給与や待遇を気にする人は書類選考での評価が下がる可能性があるのです。給与や待遇は面接や内定が出る段階で、話をする機会があります。直接会って話をしたほうが、交渉がスムーズに進むでしょう。

また、質問がある場合も、希望欄に記入するのは不適切。質問事項は、面接で確認しましょう。

履歴書の本人希望欄の記入例をパターン別に紹介

本人希望欄の例文を紹介します。やむを得ない事情がある方は、理由を添えて事前に伝えることで配慮してもらえるケースもあります。

▼例文:希望職種がある場合

例:

営業職を希望いたします。

応募先の企業が、事務職、営業職、専門職など、異なる職種を同時募集するケースがあります。その際は、自分が入社後に配属されたい職種の名称を記入します。

職種名称は、求人票や募集要項どおりの名称で記入が基本です。営業職を法人営業、事務職を事務アシスタントなど、求人内容と異なる名称を記入するのは、マナー違反です。

▼例文:希望勤務地がある場合

例:

母親の介護のため、神奈川県内の支店勤務を希望いたします。

事情があり勤務地に制限がある方は、併せて事情を書くとよいでしょう。たとえば、理由なく「自宅近くの勤務地希望」と勤務地だけの指定をすると、わがままな人というマイナスの印象を与える可能性も。希望する勤務地は、できる限り範囲を広げたほうが採用される確率が上がるでしょう。

▼例文:希望勤務時間がある場合

例:

子どもを保育園に送るため、出社時間は9時30分以降を希望いたします。

入社後の出社時間や退社時間に希望がある方は、併せて理由も具体的に記入しましょう。理由がないと、仕事に対する熱意が薄いと受け取られる可能性も。また、理由があっても「残業はできません」という断定的な表現は避けた方がよいです。転職活動では、仕事のやる気や熱意を伝えるのも大切なため、表現には気をつけましょう。

▼例文:入社可能日を書く場合

例:2021年12月31日に退職予定のため、2022年1月1日より入社可能です。

すでに退職日が決まっているなら入社可能日を記入してください。しかし、転職先の内定が出てから、退職日を相談しようと思っている方は、希望欄に入社可能日は記入しないほうがよいです。

もし、退職日の調整が間に合わずに予定していた入社日が変更となると、内定取り消しになる可能性があるためです。入社可能日は、面接で聞かれることが多いため、決まっていないのに記入する必要はないでしょう。

▼例文:連絡可能な時間帯を書く場合

例:

在職中のため、平日は9時から17時は連絡が取れない場合があります(12時から13時は連絡可能です)。折り返しご連絡させていただきますので、留守番電話にメッセージを残していただけますと幸いです。

連絡が取れない時間帯がある際は、あらかじめ記入しておくとよいです。面接日程の調整などで採用担当者から、電話連絡が入ることが想定されます。記入する時間帯は、早朝や夜間など採用担当者が就業時間外に対応しないよう配慮しましょう。また、連絡が取りやすい休憩時間も併せて記入しておくと親切です。

まとめ

本人希望欄には、希望があれば何でも記入してもよいわけではありません。入社にあたり絶対に外せない条件以外は記入しないのが無難です。まずは書類選考を通過するために、マイナスな印象を与えないようにしましょう。

また面接時には、企業側から記入した絶対条件の話を必ず深堀りされるため、なぜその条件を希望するのか理由を答えられるよう用意しておきましょう。


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