失業したらまず雇用保険の受給資格を確認しよう 基本手当の受給資格と注意点

    はじめに

    雇用保険制度にもとづく「失業手当(基本手当)」は、求職活動中の生活を経済面から支える重要なもの。一方で、「退職してから次の仕事が決まるまで手当が出ると聞いたけど、条件はあるの?」「自分が支給の条件に当てはまっているかわからない」と、疑問に思う方も少なくありません。

    そこで今回は、雇用保険の基本手当(失業手当)の受給資格や受給の注意点を解説します。

    雇用保険(基本手当)の受給資格は?

    ※画像はイメージです(Getty Images)
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    手当の受給には、まず受給者が「失業の状態」であることを確認されます。「失業の状態」とは、「働こうという積極的な意欲があり、すぐにでも仕事に就ける能力があるのに就職できていない」状況を指します。

    そのため、失業している全員が受け取れるものではありません。転職や就職の意欲が無い人、病気、けが、妊娠や出産などで今すぐの就職が難しい人は受給の対象外です。

    また、「就職への意思と能力」に加えて、「職場を退職した理由」によって資格の条件が変化するのはご存知でしょうか。ここからは、受給資格についてそれぞれの離職者別に解説します。

    ▼一般の離職者の場合

    個人的な理由や自身の待遇改善、仕事内容の変更を目的に退職をした人が、この一般の離職者に該当します。一般の離職者は、「離職する日からさかのぼって過去2年間に、雇用保険に通算12か月加入していること」が条件です。

    12か月の加入期間は合算できるため、たとえ現職で12か月未満しか勤務していなかったとしても、前職で雇用保険の被保険者であれば、前職の在籍期間も加入期間として計算が可能です。

    ▼特定理由離職者の場合

    雇用期間に定めがあり、契約更新を希望したのに認められなかった場合や、自身の都合ではなく会社の都合により離職した人は「特定理由離職者」となります。特定理由離職者は一般の離職者と異なり、「離職日からさかのぼって6か月以上被保険者に加入していること」が受給に必要な条件となります。

    また、自己都合による退職であっても、「けがや病気」、「事務所の移転により通勤が困難になった」など自分の意思ではないと認められる正当な理由があれば、この特定理由離職者となります。

    ただし、けがや病気、妊娠などの今すぐ働けない状態では受給資格はなく、特定理由離職者であってもその原則は変わりません。そのため、いずれ再就職する意思があるのならば別途「受給期間」の延長申請が必要となるでしょう。

    ▼特定受給資格者の場合

    在籍していた企業の急な倒産や、懲戒を除く突然の解雇など、再就職に向けた準備や時間の余裕がないまま離職となった人は「特定受給資格者」となります。受給資格は、特定理由離職者と同じく「6か月以上雇用保険に加入していること」です。

    特定受給資格者および一部の特定理由離職者は、一般で設けられている「給付制限期間」が無いことや、受給要件の緩和、給付所定日数の上限拡大など、緊急性の高さから給付内容が手厚いのが特徴です。

    雇用保険(基本手当)を受給する際の注意点3つ

    受給資格を満たしていても、実際に手当を受け取るにはまだ不十分です。ここでは、受給する際の注意点を解説します。

    1.受給のためには手続きが必要

    基本手当の受給には、まずハローワークでの求職の申し込みと合わせて受給の手続きを行う必要があります。退職する会社に「離職票」の発行を依頼すると後日郵送されてくるので、次に紹介する各種書類などと合わせてハローワークに持参しましょう。

    • マイナンバーカードなど個人番号がわかる確認書類
    • 運転免許証や写真付きの資格証明書など身分を証明できるもの
    • 証明写真2枚
    • 印鑑
    • 受給するために必要な預金通帳もしくはキャッシュカード

    離職票の提出と求職の申し込み後は、どの受給資格者も7日間の待期期間が設けられています。この間は、まだ手当の受給はできません。

    2.受給申請期間を過ぎないように

    手当受給の申請は、必ず申請期間内に行う必要があります。基本手当には、離職した次の日から「受給申請期間」が1年間設けられています。この期間を過ぎてしまうと、基本手当の受給資格は無くなり、その後の申請はできませんので注意しましょう。

    受給の意思があるのならば、申請は離職後できる限りすみやかに行うべきです。また、もし退職した会社から離職票を受け取っていない場合は、申請のために早急に確認し受け取る必要があります。

    3.受給説明会への参加と2回以上の求職活動が必要

    基本手当の受給は、申請しただけではまだ受け取れません。ハローワークによる受給資格の確認、決定の後、およそ1週間後に「受給説明会」への参加が必須です。

    受給説明会は、正式には「雇用保険説明会」であり、約2時間程度、資格者のしおりに基づいた受給中の手続きや「失業認定申告書」の記載方法、ハローワークの活用法などを解説します。この際「雇用保険受給資格者証」も交付される場合が多く、受給に欠かせない大切なものですので必ず参加し受け取りましょう。

    また、手当の受給開始や受給には4週間に1度「失業の認定」を行っており、指定された日までに2回の求職活動の実績が必要です。仕事を見つけるためはもちろん、「働く意思」を示すためにも重要なため欠かさず行いましょう。

    雇用保険(基本手当)の受給資格が取り消されるケース

    ※画像はイメージです(Getty Images)
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    基本手当を受け取れる条件を満たし、必要な手続きを行っても、受給までの期間が延長されたり、資格が取り消され受給そのものが終了してしまう場合があります。不本意に基本手当を受給できなくなってしまう事態を防ぐためにも、これから説明する2つのケースには注意しておきましょう。

    1.待期期間中にアルバイトを行った場合

    基本手当の申請直後には、「待期期間」となり7日間失業の状態を保ちます。そのため、この期間はアルバイトをはじめ雇用形態を問わず働くことはできません。仮にこの期間にアルバイトなどで働いてしまうと、受給までの期間が延長され、受給開始までさらに時間がかかってしまいます。

    そのため、少しでも早く手当を受け取りたいならば、アルバイトは避けるべきです。もし、どうしてもアルバイトを行いたい事情があるならば、ハローワークに事前に相談、および申告を行いましょう。

    2.雇用保険の加入条件を満たした場合

    仮にアルバイトなど正社員ではない雇用形態で働いていても、「雇用条件の加入条件を満たしている」と判断された場合、就職の状態にあるとして手当の支給が終了してしまう場合があります。

    雇用保険の加入条件は、主に「1週間につき20時間以上働いていること」、「31日以上働く予定があること」の2点です。アルバイトのシフトや勤務時間、日数によってはこの雇用保険の加入条件に当てはまる可能性があり、結果「失業の状態ではない」と判断され基本手当が支給されなくなるのです。

    そのため、もしも申請後の受給制限期間や受給中にアルバイトを行いたい場合は、加入対象とならないよう働き方を工夫する必要があるでしょう。

    まとめ

    雇用保険の基本手当(失業手当)は、次の就職先が決まるまでの生活を支える非常に重要な制度のひとつです。一身上の都合や会社都合、やむを得ない急な離職など、人によってその受給資格や受給までの期間は大きく変わります。

    そのため、自身がどの受給資格にあてはまるのか、そしてどのような申請、手続きが必要なのか、しっかり確認した上で行動していきましょう。


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