数字から見えるちば

    古墳数全国4位 地域資源磨きにぎわい創出を

    千葉県は、貝塚の数が744カ所(全国の2割程度)と全国で最多となっているが、古墳時代の遺跡も多いことはあまり知られていない。県内で確認されている古墳の数は1万2765カ所と、全国で4番目に多い。理由は諸説あるが、ヤマト王権などと強く結びついた有力な地方豪族が多かったことが一因として考えられている。

    特徴的な古墳が複数存在しており、県内でも有数の規模を誇る龍角寺古墳群・岩屋古墳(栄町・成田市)は、大部分が体験型博物館「県立房総のむら」の敷地内にあることで良好な状態で保全されているほか、発掘調査の成果に基づいて埴輪(はにわ)が設置されている円墳もあり、当時の様子をうかがい知ることができる。

    また、内裏塚古墳(富津市)は全長185メートルにも及ぶ南関東で屈指の規模を誇るほか、全国でも類例がほとんど見られない金具が出土されている。さらに、金鈴塚古墳(木更津市)は房州石で作られた石室を間近で見ることでき、木更津市郷土博物館で、出土した金製の鈴などを見ることができる。

    古墳などの遺跡は後世に守り伝えていく保存文化財としての機能のほかに、地域住民の郷土愛を育むコンテンツとしても生かすことができる。例えば千葉市では、国の特別史跡「加曽利貝塚」を都市アイデンティティの一つに位置づけ、学校の授業など子供たちの学習に生かしている。住民が古墳の持つ魅力や地域の歴史に幼い頃から触れて愛着を持ち、古墳の特徴や歴史的背景についてしっかりと理解していれば、住民による情報発信を通じて後々の関係人口や交流人口の増加につながってくるはずだ。住民一人一人が郷土に愛着や誇りを持つことが地域発展の原動力となる。

    古墳を観光資源として捉えて誘客につなげる例もみられる。古墳時代の埴輪や遺物が数多く出土される芝山町では例年11月に「芝山はにわ祭り」を開催しており、地元の子供たちなどが古代人にふんして儀式を行うイベントのほか、商工会と連携した産業祭りも同時開催して、訪れた人たちに地域の魅力を余すことなく伝えている。県内の各地域がそれぞれの魅力的な地域資源を磨き上げ、にぎわいを創り出すきっかけとなることを期待したい。(ちばぎん総研主任研究員 久山直登)


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