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任天堂「マリオカート」で認知的スキル&集中力が向上 九産大が論文発表

任天堂の人気ゲーム「マリオカート」をプレーすることで、認知的スキルと集中力が向上する可能性があることが、eスポーツのポジティブな影響を検討した九州産業大学人間科学部の萩原悟一准教授らの研究で明らかになった。世界的に熱を帯びるeスポーツ業界だが、昨今ではゲーム好きの若者だけでなく、高齢者の認知機能の向上にも寄与する可能性も見出されており、さらなる研究が期待される分野となりそうだ。研究論文はデジタル領域の学術論文を掲載する電子ジャーナル「Journal of Digital Life」(ジャーナル・オブ・デジタル・ライフ)で公開されている。

マリオカートのプレイによって認知機能と集中力が向上したという ※画像はイメージです(Getty Images)
マリオカートのプレイによって認知機能と集中力が向上したという ※画像はイメージです(Getty Images)

eスポーツの魅力を構成する「認知的スキル」

「プレーで観客を魅了する」という言葉は、プロのスポーツ選手たちの卓越したパフォーマンスが観客の心を奪う様子を表現する言葉だ。野球やサッカーなどで勝敗がかかった場面でのスーパープレーを見て、思わず声を出してしまったことがある人も少なくないだろう。

その選手たちのプレーを裏付ける要素の1つは、日々のトレーニングで磨き上げられた選手たちの身体能力にあるのは言うまでもない。萩原准教授らの論文によると、これらの観戦型スポーツは「選手の身体的スキルの発展に依存することで競技の魅力を創造している」とされているという。

一方、ここ数年で世界的に盛り上がりを見せる「eスポーツ」に目を向けると、テレビゲームで腕を競い合うため、身体的スキルではなく「認知的スキル」が競技の魅力を構成する重要な要素になっているという。そのため、認知的スキルに焦点を当てた研究を推進することが、eスポーツの発展につながる可能性があると見られている。

eスポーツが人体に与える影響については、近年徐々に研究が進みつつある。例えば、アクションゲームをプレーすることで注意機能が向上する可能性が示唆されたり、世界的なeスポーツタイトル「League of Legends」をプレーする大学生の集中力が向上していることなどが判明しているが、日本のスポーツ科学研究の中では「eスポーツ」を取り扱った事例はまだまだ少ないのが現状だ。

eスポーツは身体運動ではないが、広義にはスポーツと捉えられている。萩原准教授らは、その効果を検証する必要があるとして「eスポーツ活動前後での認知的スキル」と「脳波から抽出される集中度の関連」を明らかにすることを目的として研究を進めた。

「マリカー」プレー前後で能力を比較

実験はeスポーツ同好会に所属する男子大学生20人を対象に行われた。認知的スキルを測定するために使用されたのは「ストループテスト」と呼ばれる課題だ。これは、赤・青・緑・黄の文字で示された色を答える一致課題と、文字の意味と文字色が不一致なもの(例えば、赤字で書かれた「青」などの文字)について「文字色」の方を答えるという不一致課題の2つで構成されている。どちらも回答の速さと正確さが評価の軸となっており、認知的スキルの1つである「行動を制御する機能」を計る指標とされている。


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