--令和4年度に策定する中期経営計画に向けて主に取り組んでいくことは
「国内は少子高齢化に伴い自動車保険が減少していく中、新たなリスクに対応する新種保険を拡大させていかねばならない。例えば、損害で生じるさまざまな費用をサポートする保険や賠償責任保険、(企業が従業員の事故などに備える)労災の上乗せ的な保険などのウエートをもっと高めていく」
--顧客アプローチは保険だけではない
「デジタル化の進展によるサイバーリスクや温暖化による気候変動など社会課題へのリスクに対して解決策を提供していく。保険で提供するだけでなく、データやデジタル技術を活用してリスクを評価・分析してリスクの回避策を提供するコンサルティングサービスも高度化していくつもりだ」
--新たなリスクへの対応で力を入れているのは
「(異常気象や天候不順による損失などに対して補償金を受け取れる)『天候デリバティブ(金融派生商品)』を地銀と販売している。天候に業績が左右されやすいレジャー施設や小売業などで販売好調だ。天候に関する商品はオーストラリアやタイでも販売しているが、さらに拡大できる可能性がある」
--海外事業の拡大をどのように進めていくか
「中間層が増加するアジアでは個人向けなど小口の保険市場の広がりが予想される。そこを強化できるM&A(企業の合併・買収)もチャンスがあれば考えていきたい」(西村利也、写真も)
◇
はら・のりゆき 東大経卒。昭和53年大正海上火災保険(現三井住友海上火災保険)入社。名古屋企業本部長などを経て、平成28年4月に社長。同年6月にMS&ADインシュアランスグループホールディングス代表取締役執行役員、令和2年6月から現職。長野県出身。































