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子育て世帯の悩み解決に貢献保育・子育てベンチャーがQOLを高める

デロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)です。当社はベンチャー企業の支援を中心に事業を展開しており、木曜日の朝7時から「Morning Pitch(モーニングピッチ)」というイベントを東京・大手町で開催しています。毎週5社のベンチャーが大企業の新規事業担当者や投資家らを前にプレゼンテーションを行うことで、イノベーションの創出につなげることを狙いとしています。


モーニングピッチでは毎回テーマを設定しており、それに沿ったベンチャーが登場します。ピッチで取り上げたテーマと登壇ベンチャーを紹介し、日本のイノベーションに資する情報を発信する本連載。今回は保育・子育てです。


第一子の出産後に社会復帰できず退職する女性が約半数


日本では家事・育児の負担が大きいこともあって、第一子の出産後に社会復帰できずに退職する女性が、約半数を占めています。この比率は足掛け30年にわたりほとんど変わっていません。こうした中、2021年の国内ベビー用品・関連サービス市場は20年と同様、前年実績を上回る見通しです。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で乳幼児のいる子育て世帯の多くは外出を控え、関連商品が伸び悩みましたが、保育領域は拡大基調にあるからです。また、海外全体でも好調に推移するとみています。

世界的に注目されているのは子育ての軽減につながるサービスです。とくに関心が高まっているのはベビーテックで、胎児モニターや家事などをしながら利用できるウエアラブル搾乳機、ベビー睡眠ベッド、寝かしつけをサポートするAIスマートヘッドライトなど、新しい領域の商品が続々と誕生しています。


日本でもヘルスケアを中心にベビーテックの企画が相次ぐ


P&G(米国)が、紙おむつが濡れたらスマートフォンに通知するIoTデバイスを販売したことから日本でも注目が集まり、大企業とスタートアップによる協業の取組みや経済産業省の支援によって、日本でもベビーテック関連の動きが活発化しています。ユニ・チャームとファーストアセントは、AIで分析した乳児の泣き声や睡眠のデータを反映させた紙おむつの開発に取り組んでいます。また、赤ちゃん本舗はパパスマイルなどと共同でベビーテックの普及に向け、子育て×テクノロジーの展覧会「BabyTech TOUCH」を開催しました。経産省は神奈川県小田原市と共同で、ベビーテックの活用に関する実証事業を進めています。


米国と異なり、普及への歩みは遅い

ただ、米国に比べると文化的な違いもあって、日本ではベビーテックの普及があまり進んでいません。米国の場合、授乳は必ずしも母親の役割ではなく、スマート哺乳瓶があれば楽にミルクを飲ませることが可能です。産後から乳幼児期にかけては、日本であれば母親と子供が同じ部屋で添い寝をしますが、米国は母子が別室で就寝するため、赤ちゃんの見守りモニターやアラート機能があるデバイスも必需品といえます。また、米国は社会復帰が早く、育児休暇がなかったり非常に短かったりするのが当たり前です。職場で搾乳しなければならない時もあり、ウエアラブルな搾乳機が活躍しています。


注目集めるペアレントテック


COVID-19で保育所が相次いで閉鎖したことを踏まえ、ペアレントテックも注目されています。明確な定義はないのですが、傾向から考えると妊娠期から生後1年前後向けのプロダクトがべビーテックで、幼児期以降の親向けのプロダクトがペアレントテックと考えています。この分野の協業事例としては、住友生命保険とユカイ工学が開発した次世代コミュニケーションロボット「BOCCO emo」(ボッコ・エモ)が挙げられます。ロボットがちょっとしたサポートを必要とする部分を担ってくれます。中部電力とカラダノートは資本業務提携を結び、子育て世代を支援するサービスなどを共同開発します。米国でもペアレントテックへの投資が急激に拡大しており、2021年のスタートアップの総調達額は14億ドルと20年の実績比で2倍超となりました。

就業を続けながら子育てをすることが急務な課題となっていますが、各成長ステージにあった生活の質(QOL)を高めるためにも、ベンチャー企業の活躍に期待が高まります。今回は5社のベンチャーを紹介します。


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