大阪・北浜の老舗料亭「花外楼」にまつわる歴史や書画から大阪の魅力を伝えようと8日、同店で「花外楼の人・歳時記トーク&ランチ」が開かれた。5代目女将(おかみ)、徳光正子さんと、本紙で3月まで連載された「花外楼の人・歳時記」を執筆した記者が老舗をめぐる秘話を語り合った。
徳光さんは「いろんな人が心を許して集い合う場所が料理店。それが私の仕事の原点だ」とあいさつ。正木利和編集委員は、店名の由来となった維新の元勲、木戸孝允が揮毫(きごう)した書を解説し「字は人を表す。きっちりした真面目な人柄がしのばれる」と話した。
また、山上直子論説委員は、戦時中、店から軍に銀器を供出したが、「商売道具だ」と返却されたことを紹介。「文化を大切にした大阪らしい逸話。時代ごとのストーリーを残してきた」と述べた。41人の聴衆は、老舗に伝わる歴史と料理を堪能した。
花外楼は天保元(1830)年創業。木戸ら政財界の重鎮たちに愛された。































