東芝は21日、潜在的な投資家やスポンサーから、企業価値向上に向けた選択肢についての提案を募集すると発表した。「物言う株主」とのしがらみを断ち、経営再建の取り組みを前進させるため、株式の非公開化に向けた議論が加速する可能性がある。
/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/GALZDHO5MJOW7P3KSIAMMLZEC4.jpg)
東芝は昨年8~11月、複数の投資ファンドと非公開化や少額出資について水面下で協議していたが、条件面で折り合いがつかなかった。今回は企業価値向上に向けた具体的な提案を広く募る。
6月の定時株主総会の前に、提案を提出した投資ファンド、スポンサーの数や取引内容を公表する方針。株主に対し、検討状況を法律や規制の範囲内で開示する。
東芝をめぐっては米投資ファンド、ベインキャピタルが買収を検討している。筆頭株主の投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントもこれに賛同する。
東芝はこれまで上場維持にこだわっていたが、3月の臨時株主総会で会社分割計画が否決され、大株主らの意向を考慮せざるを得なくなった。ただ、重要技術を抱える東芝の非公開化は、安全保障の観点から簡単にはいかない。時価総額にして2兆円を超える買収資金を確保する必要もあり、実現にはクリアすべき課題がいくつか存在する。