EV元年

    ㊦EV化で部品メーカーに暗雲…新事業探る

    アイシンは、bZ4Xに搭載される第1世代のイーアクスルから小型化・高効率化した第2世代を、25年に小型車から大型車用までフルラインアップ化し、電気の消費効率を示す「電費」を全体で10%以上高める計画だ。その分、電池の搭載量を減らせるため、広い室内空間の確保につながる。27年には超小型の第3世代の量産も目指す。

    イーアクスルには、電子部品メーカーも商機をうかがう。モーター大手の日本電産は19年4月に量産を開始。中国の自動車メーカーのEVを中心に採用されている。

    「価格は5分の1に」

    永守重信会長は、中国などでEVの急速な普及が進むことで「EV価格は5分の1になる。5億台、6億台のマーケットで8割が100万円以下の低価格車だ」と予測する。小型化・高効率化を進めた第2世代の開発も完了し、22年度下期に市場へ投入する。30年に世界市場で4割以上のシェアを獲得することを目標に、セルビアなど海外で生産拠点を拡大している。

    国内の自動車産業は自動車メーカーが開発から生産、販売までを手掛け、部品を供給する系列メーカーに支えられた垂直統合型のビジネスモデルによって、世界をリードする存在にまで成長した。産業の裾野も広く、関連産業には約550万人が従事する。だが、世界的なEVシフトによって、産業の構造そのものが転換を迫られている。

    日本自動車工業会の会長でもある豊田氏は、EVシフトによる雇用面での影響への懸念を繰り返し表明してきた。水素エンジン車などEV以外の脱炭素技術の可能性も探るが、解決策は見えていない。基幹産業である自動車産業の構造転換の成否は、日本経済の先行きをも左右する。EVシフトを危機ではなくチャンスに変えることができるのか、国内自動車産業の底力が試されている。

    (この企画は宇野貴文、桑島浩任、高橋俊一が担当しました。

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