教員免許更新制廃止を国会可決 令和5年に新研修制度開始

    教員免許に10年の有効期限を設ける教員免許更新制を廃止するための教育職員免許法など関連法改正案が11日、参院本会議で可決、成立した。7月1日以降に期限を迎える教員は更新手続きが不要になる。教員の質向上を目指す新たな研修制度の令和5年4月開始に向けて、文部科学省は制度設計を進めている。

    教員免許更新制を廃止するための改正教育職員免許法などの関連法を可決、成立した参院本会議=11日午後、国会・参院本会議場(矢島康弘撮影)
    教員免許更新制を廃止するための改正教育職員免許法などの関連法を可決、成立した参院本会議=11日午後、国会・参院本会議場(矢島康弘撮影)

    更新講習は教員の多忙化の一因とされ、人材確保に影響を与えて教員不足につながっているとの指摘があった。制度廃止によって負担軽減を図る。

    新制度では効果的な研修を進めるための方策として、都道府県の教育委員会などに研修受講を教員個別に記録することを義務付ける。各教員の能力や経験を踏まえて校長が受講すべき研修を助言することになるが、国会審議を通じて野党側から「校長による押し付けになる」との懸念が示され、衆参の委員会で「教員の意向をくみ取るよう配慮する」との付帯決議が採択された。

    新制度に関し文科省は今年の夏に指針を示す方針。指針には情報通信技術(ICT)活用など、教員に必要な知識や指導方法などが盛り込まれる方向で、都道府県教委などは指針に従い、研修の詳細を決める。

    一方、文科省は、更新制の効力が残る6月末までに期限を迎える教員に対し、必要な手続きを取れば更新講習を免除するなどの救済策を適用する。

    教員免許更新制は第1次安倍政権だった平成19年の法改正により、21年から導入された。


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