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「勤労者皆保険」実現へ検討 全世代型社会保障

政府の「全世代型社会保障構築会議」(座長・清家篤元慶応義塾長)は17日、議論の中間整理をまとめ、政府は同構築本部(本部長・岸田文雄首相)でこれを決定した。厚生年金や健康保険の加入を拡大する「勤労者皆保険」の実現が柱。かかりつけ医の機能強化に向けた制度の整備も盛り込んだ。6月に策定する経済財政運営の指針「骨太方針」に反映させる。

首相は本部会合で「持続可能な社会保障制度を将来世代に伝えていくためには、社会保障の担い手を確保するとともに、希望通りに働ける社会をつくる未来への投資が重要だ」と述べた。中間整理は、高齢者人口がピークを迎え減少に転じる2040(令和22)年頃を視野に入れている。首相は「中長期的な課題についても改革事項を工程化する」と語った。

勤労者皆保険に関しては厚生年金の適用拡大を着実に進めることを求め、企業規模要件の撤廃を含めた見直しや、非適用業種の見直しを検討すべきだとした。

パートら非正規労働者の厚生年金加入をめぐっては、対象企業について現在の従業員501人以上から10月に101人以上、令和6年10月に51人以上に広げることが決まっている。

このほか、コロナ禍でかかりつけ医の機能が十分発揮されず、総合病院に負荷がかかったと指摘し、かかりつけ医の機能が発揮できる制度整備などの医療・介護提供体制の改革も求めた。男性の育児休業の推進や非正規雇用労働者の育休取得に向けた環境整備も盛り込んだ。

国民の負担増を伴う財源確保策は明記されず、夏の参院選後に先送りした。


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