コロナ対応に腐心する3府県、高齢者対策強化

    新型コロナウイルス対策本部会議で発言する大阪府の吉村洋文知事=18日午後、大阪市中央区の府庁
    新型コロナウイルス対策本部会議で発言する大阪府の吉村洋文知事=18日午後、大阪市中央区の府庁

    これまでに何度も新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた大阪、京都、兵庫の3府県では、「第7波」への備えを強化しつつ、経済活動や日常生活の回復にも腐心している。

    京都府の西脇隆俊知事は屋外でマスクを外すことについて「(人との間隔が2メートル以上あれば)問題はないと考えている」と言及。国が昨夏も熱中症対策として、同様にマスク不着用を勧めていたことを踏まえ、「今年も政府に統一的な見解として発信してもらいたい」と注文を付けた。

    京都府の1日あたりの感染者数(1週間平均)の前週比は、4月30日から11日連続で減少。しかし連休明けの5月11日からは前週を上回る日が続く。

    こうした状況を踏まえ、5月補正予算でさまざまな対策を整える。保健所の負担軽減のため、感染者への連絡や情報の端末入力、文書発送など定型的な業務を外部に委託することを決定。重篤化が懸念される高齢者や障害者施設の施設医や地元の医師をサポートするチームを府内の6医療圏に設け、治療薬の投与や医療的ケアを行うことができる医師、看護師を派遣する仕組みも構築する。

    大阪府も高齢者対策を強化し、要介護3以上の感染者向けの臨時医療施設(40床規模)を整備することを決めた。大阪府によると、第6波で府内の重症者の68・1%、死者の92・1%を70代以上が占め、医療機関や高齢者施設でクラスターが続発した。新設する臨時医療施設の対象は、肺炎症状がみられる中等症1程度までの患者で、自力歩行が難しい「要介護3」以上、さらに自宅での介護サービスが困難な人とした。

    また、既存のコロナ受け入れ病院に対し、日常生活に介助が必要な「要介護2」以上の患者を受け入れる病床を確保すれば月額最大100万円の協力金を支給することを決定。高齢者施設には、施設職員らの3日に1回の抗原検査の導入などを求める。

    兵庫県でも、高齢者や基礎疾患がある人を守るための対応を強化。高齢者施設に対し、保健所を通じて地元の医師会などから内科医らを派遣する仕組みを整備した。同県の担当者は「とにかく重症化させないことだ」と語った。


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